第15話 今、あの森とは別の森で、妖精さんを食べてます。その2

 部隊の同僚さんが、妖精さんが美味しいっていうから食べてみたら、

 本当に、信じられないぐらい、「この世にこれ以上の美味はない」って熱弁されるのも納得なぐらい、美味しかった。


 生肉はクジラ肉風味、加熱すれば牛フルコース……なんでうちの故郷では流通してないんだろ?

 それか、ボクら庶民には手の届かない、高級食材扱いで知らないだけかな?


 本来の目的たる雌のフェアリーミルク採取ノルマまで、まだまだみたいなので、ボクらは別の場所へ移動する。



 移動がてら、ボクらはこんなやり取りをした。

「さっきは、雌一匹を半分こしたっすけど、今度は一人一匹でいただくっす。

 なんせ雌の妖精は、踊り食いが一番うまいっすから」


「……普通の食べ物でも、寄生虫とかが、たまに問題になるけど、妖精さんに、そういうの無いの?」

「うーん、見聞きしたことはないし、自分の実感としても心当たりは無いっすね」


 話してる間に、次なる狩り場へ着いたボクら。

 ボクらは、ミルクが出る雌妖精さん達に弱めの電撃を浴びせ、ミルクを一通り搾乳し終え、踊り食いを始める。


 踊り食いするときは、逃げられないように羽や足からいただいたり、身体の一部を終始離したりしないよう、いただくんだって。

 羽や足か……。手と足をつまんで羽から食べよっと。


 スー……甘い匂い。羽が飴細工の蝶みたいだから?

 それか、妖精さん本体の匂い?

 ……本人あるいは本精、横でお楽しみ中の師匠にも聞けないのが、

 ちょっとしょぼんだけど、気を取り直して羽を噛むと、パキ、ポリポリと、いい音が骨にもしみる。

 ……うん、ほんとに飴細工の味だ。しつこくない甘みで美味しい。


 羽を背中ギリギリまで食べ終わると、「ん……」と妖精さんの声が。

 ……踊り食いって生きたまま、丸々いただくんだよね?

 …………まずは歯を立てないよう足を食み、ちょろっと舐める。

「ひゃっ……!」


 膝下まで食んでしゃぶる。

「ひっ……やっ……!」

 膝辺りを軽く噛んで離して噛みちぎる!

「ああっ!? いやあああっ!」


 はは、そんなに泣き叫ばないでよ……興奮するじゃん……!

 キャサティーさんに貞操帯付けられてなかったら、

 キミの片手に杭打って、もう片手を地面に押し付けて、

 精液ぶっかけて、キミを犬食いしてたとこだよ?

 ……さすがに叫び声が耳障りになってきたから、膝があったとこから滴る血で猿ぐつわを作って噛ませる。


「ごめんねぇ、痛かったねぇ? 

よしよし。今、痛いのを、気持ちいいにしてあげるからねぇ?」

 ボクは妖精さんの頭を撫でながら慰めて、宣言通り気持ちいい薬を投与させる。


 ……あ、やば、これ、妖精さんの血と一緒にボクにも薬の成分入って、

 ボクも勃ちきれなくて、ちょっと痛いから、気持ちいいのすごくなる奴。

 うっ、んっ……ふっ……!



 妖精さんのもう片方の膝どころか、両脚がほとんど無くなる頃。

 妖精さん、涙は流しつつも、何も喋んなくなっちゃった。

 脚が無くなって、フェアリーシロップの出口がよく見える。


 ……まだ生きてるかなと、ボクは自分の小指を舐めて湿らせてから、シロップ出口近くの大きめの穴に挿入を試みる。

 あれ、案外キツイ。妖精は出産とミルクに相関関係ないのかな?


 産後まあまあ経ってて、レスなだけかも? まあ、今のボクには関係ないか!

 やっと妖精さんの中にボクの小指の先が収まって、まだ温かいのを感じるから生きてはいるみたい。

 ボクが小指を出し入れするように動かすと、んっ……んっ……みたいな、か細い声があがる。


 ……ボクの手は、今妖精さんの腕を拘束するベッドになってる左手と、妖精さんの中に入れてる小指のある右手の二つしかない。


 ボクは小指を抜いて、小指を入れてた穴に、舌を入れられないか試してみる。

 ……無理っぽいので、シロップと、胸を吸ってわずかに出たミルクを堪能したのち、腰とお腹、いや、首から下、全部噛み砕く。


 ボクは、妖精さんの、ぎゃ、と断末魔をあげたままの顔を見て、

 口に入れて、飴ちゃん感覚で噛み潰し飲み込んで、手を合わせて「ごちそうさま」と挨拶した。


 それからボクは、妖精さんを腕から食べたり、手足を片っぽ残してから食べたり、

 妖精さんの頭から食べようとしたら、うるささのあまり、殺してから食べることになっちゃったりと、いくつも妖精さんを平らげた。


 ……気付けば、もう日が沈みそう。

 ミルクのノルマも十分だし、テントに帰ろっ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る