第16話 今、敵の息の根を止めます。

 妖精さんをむしゃむしゃしても、夕飯はちゃんと入る。

 あの森からテントまで、徒歩だったせいかな?

 そんなこんなで翌朝、ボクらは、ついに戦場へ赴く。


 敵はゴブリンの進化種、オーク――イーカセイザ大陸でよく見かける人型の魔物は、異界から来た悪魔とか神の使徒とかを除けば、大体ゴブリンの進化種なんだって――。


 今回の任務は、そのオーク達が、廃墟の城を占拠して、好き勝手してるのを退治。あと人質の救出。


 ……なんとなく人間同士で戦争するのかと思ってたけど、違ったみたい。

 まあ、相手が人だろうと人外だろうと、戦う以上は、どっちも戦場だよね。

 じゃ、レッツ進撃!



 部隊を大きく、オーク退治部隊と人質救出部隊の二手に分かれてオークの城に入る。

 ボクがいるのはオーク退治部隊。

 正門から堂々と、でも静かに門番のオーク達を殺して、城の中を進むボクら。


 オークは、ボクより縦幅も横幅も倍はあって、頭が豚系で、太ましさ故か胸当てと背当てが別々。

 そのおかげで、横から心臓とかを簡単に穿ち殺せる。

 銃弾にしろ刃物にしろね。



 屠った数が三十過ぎて、数えるのがだるくなった頃、豪華そうな服装等のオークが複数いた。

 あれが敵のお偉いさんかな?

 思いのほか、全体的にだらしない体つきしてるなぁ。

 あれをメタボもといメタボリックシンドロームと呼べるか、ちょっと考えてみる。


 血圧は戦場にいるおかげで十分高血圧になりそうだし、あとは、血糖値とかコレステロールとかを血から調べなきゃ。

 そう意気込んで、ボクは、でかい的をめがけて、突撃銃の引き金を引いた。


 ババババババババ

 ……なにか言いながらこいつら死んだけど、ほとんど銃声しか聞こえなかったや。

 新手の気配や魔法の探知魔法に反応は無い。

 とはいえ、さっさと目の前のオークの血液検査をして、思ったこと。

 そもそもボク、健康的なオークの血液関係の値、全然知らないや。

 まあ、ボクがそれらを知って教えたところで、このオーク達の健康改善は、いろんな意味で無理だけど。

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