愛するおばあちゃんが死んで以来、何度殺しても死ねないボクは、毒魔法とかいろいろ強過ぎて向こうが死にまくるけど、死ねない理由が知りたい!〜『トリプルマジックストリート 第一部』外伝
第12話 え、妖精の集落を滅ぼしたボクが、王都行きでいいんですか?!
第12話 え、妖精の集落を滅ぼしたボクが、王都行きでいいんですか?!
ギルドで、妖精さんから黒いものの調査依頼を受注して、妖精の集落にやってきたボクだったけど、その集落、滅んじゃった、なんなら滅ぼしちゃった、てへ☆
あの集落の妖精は、エルフに限らず人に害を与える妖精だったから、こう、カッとなって滅ぼしちゃった。
そうそう、集落の妖精が言う黒いものって、やっぱりボクだって。
証言用に殺さないで縛っておいた妖精達の一匹や、ギルドでボクの受付をした人が証言してくれたよ。
あの眼鏡、妖精さんの視界と同様、魔力と業が見える眼鏡なんだって。
で、殺さないでおいた妖精達の処分は、この街、並びに、このギルドじゃ無理だって。
ボクは「こいつら、もうここで殺してよくない?」って提案したんだけど、この先にある王都で処遇を決めないとだめだって。
あと、別の悪意ある種族が、死んだ妖精の恨み辛みを糧に
王都に渡す書類の数々を眺めながら、面倒だな……って思うのも束の間。
妖精達の護送を誰がやるかについて、集落を滅ぼしたペナルティも兼ねてボクが指名されちゃった……。
まあ、このギルドでの依頼って、大多数があの森関係で、死ねそうな依頼がほぼ来ないから、今回のこと抜きでも新天地を探すつもりだったから、ちょうどいいけど。
マスターさんいわく、王都は、この街から歩いて一週間、馬車で三日ぐらいかかるって言われたけど、天気もいいし、飛べばもっと早く着けるな、と思ったボク。
馬と、妖精が縛られてる荷車に一時的に翼を生やす魔法をかけて、馬に乗って馬を電気信号で操る魔法もかけてレッツらゴーしようとしたら、ボクの監視係に立候補したハンナちゃんをはじめとした複数人に止められた。
「なに、ハンナちゃん。飛んだほうが早く着くと思ったんだけど……もしかして高所恐怖症?」
「そうでもないですけど……、もう、どこから気にすれば……。
えっと、この大陸の道中であの山より高く飛ぶのは危険なんです、ドラゴンのブレスに襲われるから」
ボクはハンナちゃんが指し示したあの山を見る。
えーと、高度測定魔法によると、三千メートルいかないぐらい?
ボクの適性ならあれぐらい軽く跳べるな。
「ねえ妖精さん達、冥土の土産、もとい、牢への土産話に一回ドラゴンを生で見たくない? ちょっと飛んで、ちょっと見たらすぐ戻る感じで、どう?」
ボクの誘いに乗ってくれた妖精さん達と一緒に――妖精さん達は自力で飛べるって。こういうとこは流石だ――ドラゴンを見に、山より高く跳ぶ。
わあ、ほんとに大っきくて真っ白なドラゴンさんがいる。翼の付け根辺りのしましまは……包帯かな?
「ドラゴンさん、こんにち……わぁっ! 皆戻って戻って! ……さよならっ!」
どうにか地上に戻ったボクは、ハンナちゃんに事の顛末を報告する。
「ドラゴンブレスほんとすごいね……、ボクの本気の結界に五秒でヒビを入れるって……。危険さがよーく分かったよ……あの山より低く飛べば大丈夫かな?」
「それなら、まあ」
「よーし、今度こそ行こうか」
王都って言うからには、王様とかお城とか凄いのいっぱいありそうだけど……。
「あそこの円状の壁に囲まれた街が王都です」
おーぅ……ギャグじゃないよ? あれが、王都……。
真ん中のあのお城に王様とか住んでるのかな。
王都ナロヨミンゲンの入口の門に着いたよ。
前にいる馬車の人達が終わったら、ボクらの番だね。
あの山に比べれば低いけど、ほんと、すっごい高い壁だ。
門番さんから、ここに来た目的とかを聞かれたので、嘘を付く理由もないので正直に答える。
ギルドは東門が一番近いって案内され、今度こそ王都に入る。
そして、問題の妖精達とボクは手錠をかけられる。
……やっぱり、ボクの処遇の議論も避けられないよね……。
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