第10話 やっと集落に入れたけど……。
……祝福の過程について、思うところはおっぱい、いや、いっぱいありつつも、エルフの祝福を終えたボクは、祝福したハンナちゃんと一緒に、例の妖精の集落に入ることになった。
祝福を終えた後に教わった、祝福の言葉の一節を唱えさえすれば、ボク一人でも妖精の集落に堂々と入れるようになるけどね。
確か、またロビンさんが妖精を殺さないように、とかなんとか言って、ハンナちゃんもついていくことになったんだ。
……向こうが、ボクの邪魔とか殺されても文句言えないこととかをしなければ、ボクも普通の、ありふれた、人の心がある対応をするのに。
まあ、そんなことはさておき、早く妖精の集落に入ろ。
ボクが休んでた間に、森に黒いものが現れなかったとも限らないしね。
前に来たときとは、うってかわって、ボクを、ボクらを通してくれた門番さん達。
ハンナちゃん曰く、エルフの祝福には集落に入れる用に体の縮小化と、妖精に異種族の個体認識ができるようにさせる効果があるんだって。
ついでに門番さん達に、この門で黒いものを最後に見かけたのはいつか聞いてみると、ボクがハンナちゃんに祝福される前に来た日が最後みたい。
自慢の槍で狐頭を追い払ったとか自慢してたけど……デコピンしてやろうか。
まあ、話を聞くべきは門番より、森で狩りだか採集だかしてる妖精だよね。
で、目についた端から妖精さん達に黒いものについて聞いてみて、分かったことは大きく四つ。
一、黒いものが現れた日はボクが最初に森にやってきた日と一緒。
二、その日、六人一班な五班に分かれて狩りをしてたんだけど、ある班の一番小さい妖精が、黒いものが班の皆を殺したって。で、黒いもののいた場所には、妖精二人が頭と体を別々にされたり、上半身がエビぞり通り越して折りたたまれて死んでるのが見つかって調査依頼を出すことにしたって。
三、黒いものは、妖精達の何倍も大きく、人語を話すくせに人の心がない奴。あと、妖精を消す謎の力がある。
で、四、その日から今日まで誰も、森であの黒いものを全然見かけてない……あれ、それって……。
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