第9話 めいっぱいの祝福をボクに
生まれる直前のゴブリンを母親ごと殺しまくったせいで、食欲なくすこともあったけど、ボクは今元気です。
さて、雑魚について振り返るのはここまでにして、ボクを殺せそうな魔力四桁級の何者かについて、妖精の集落に話を聞くための祝福の儀式にのぞもう!
エルフに祝福の言葉を唱えられながらエルフの体液を浴びると妖精の集落に入れる。
と言うわけでボクとハンナちゃんは今、宿の浴室つきの部屋に、ボクはその浴室にいるよ。……ついでに、ボクは今、全裸だよ。
着衣でやると祝福が不完全になるんだって。
これでボクとハンナちゃんは、お互いの裸を見あった仲に……あ、待って、ボク、あの輪姦未遂のときの体位的にハンナちゃんの背中を見れてないや。
頼んだら見せてくれるかな、とも、ちょっとは思ったけど、今以上の望みは、一旦よしたほうがいいよね。
祝福の言葉はエルフのハンナちゃんが唱えるとして、問題はエルフの体液。
……ハンナちゃんが用意するって言ってたけど、一体なに持ってくるんだろう?
そう思っていると、浴室の扉が開く音とガチャガチャって複数のビンが当たる音が聞こえた。
「ハンナちゃん?」
ボク今、浴室の扉に背を向けているから、本人確認ついでに振り向こうとしたら「ダメ!」ってハンナちゃんに止められた。
「え、なんで? まだ儀式始まってないでしょ?」
「今から、始めます、から……!」
なんかハンナちゃんの声、
「……
ボクの質問に、はい……、って弱々しく答えるハンナちゃんに、ボクは、そっかぁと返事した後、ボクもされるのは初めてだから一緒に深呼吸しよ、と提案する。
「鼻から吸ってー……口から吐くぅー…………、鼻から吸ってー……口から吐くぅー…………、……落ち着いた?」
「はい、ありがとうございます……まずは頭から、かけますね」
ボクはそれにオッケーと返事をして目を閉じ、ハンナちゃんは祝福の言葉を唱え出す。
ここからボクは実際に喋っちゃダメだって。
……このにおいと感触は、母乳かな?
……浴びれる体液って聞いて真っ先に血が浮かんじゃったボクってば、もー……。
そこから肩から腕周り、お尻とか下半身の裏側と母乳をかけられてきて、残すは体の前側……。
まずはハンナちゃんの指示通り、脚を伸ばし、脚の前側に母乳がかけられていく。
……
ひととおり脚にかかったかな、と思うと、小さく、ちゃぷ……って聞こえた。
……ハンナちゃんが入ってきた? あ、ひょっとして声が上ずってた理由って下着姿だったから? それで恥ずかしがったのかな。
うなずかないよう納得と思うと、ハンナちゃんが上を向いてくださいと指示する。
……ハンナちゃんに限って無いと思うけど、ボクの首を、隠し持った刃物で切りつけたり刺したりしないよね?
ナイナイナイ、大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせながら上を向くと、予想外の刺激がボクの胸にかかる。
なんていうか水鉄砲的な刺激っていうか……え? どういうこと?
まさかハンナちゃん今、上半身裸で射……いや噴乳してるの? 今ハンラちゃんってこと?
聞きたい! でも喋れない……!
ボクが悶々としていると、さらなる刺激が――?!
……待って、この感触……、は、ハンナちゃん? まさか今、いや、ここに来てからずっと全裸だったの?
もしかして、ハンナちゃんが初めてって言ったのは儀式じゃなくて、エッチなこと?!
まずいよハンナちゃん……! 入れなきゃ大丈夫って話じゃないんだよ?
精子は、卵子と結ばれるまで、犠牲を出しながらも、あらゆる困難を乗り越えるんだよ?!
ていうか、儀式に使うエルフの体液って、複数種類使ってもいいの?
ああもう、気になることしか無い!
エッチなことは概ね経験済みのボクでも――いや経験済みだからこそ?――、内心が「はわわ」とかの一言で済まないまま、儀式が終わった。
ハンナちゃんの、目を開けていい合図の声はちょっと遠かったし、ボクが目を開けたとき、ハンナちゃんは浴室内にいなかった。
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