第6話 いいゴブリンは人に悪さをしない奴だけって、何かで見た

 ボク以外の魔力四桁以上のなにかに会うべく、妖精の集落に話を聞きに行こうとしたら、集落の門がボクのおててサイズで、ボールペンの先みたいな槍かなんかで刺されたボク。

 妖精の集落に入るには、実はエルフのハンナちゃんに、祝福の言葉を唱えられながら全身にエルフの体液を浴びればいいらしい。


 というわけで、ボクは今、ハンナちゃんを追って洞窟に来たんだけど、全然見当たらない。

 まあ、まだ入り口だし奥が暗いしね。

 目に暗視魔法を施してみても、やっぱりハンナちゃんはいないし、まだまだ道もあるらしい。よし、進もう。


 襲ってくるゴブリン排除とハンナちゃん探しの傍ら、ボクは思う。

 ……それにしても、この大陸の人って、アウティングとか守秘義務みたいな言葉や概念を知らないのかな……?

 ハンナちゃんの種族のこともそうだけど、ハンナちゃんが今受けてる依頼の内容や場所もあっさり話しちゃって……。

 ……闇雲に探す手間が省けたのは助かるけど。


 あ、そうだ、ハンナちゃんが洞窟にいるらしい理由も話さないと。

 ハンナちゃんが、魔法職不在の冒険者二人組に誘われて、この洞窟を拠点に悪さしてるゴブリンを退治するんだって。

 ……ゴブリンだって人と同様、頭と胴と手足があって二足歩行で、魔法とか無しに空を飛べないのに、妖精と違って人扱いされてないっぽいの、ちょっと可哀想……。

 多くの人を害する奴が人扱いされないのは、どこの世界も一緒ってこと?



 そう思っているとハンナちゃんの叫び声が一瞬聞こえた。

 急いで声の方向に向かうと、エルフの尖り耳と、ローブを脱がされた関係で裸もさらされてるハンナちゃんが、よってたかってゴブリンに輪姦まわされそうになっていた。


 ……今この瞬間まで多少ゴブリンに同情してたけどさ……、やっぱ取り消すよ。

 少なくともここにいるゴブリンは全員殺さなきゃ。

 そう決意しながら抜いた剣で、ハンナちゃんを犯そうとしてるゴブリンの首を斬り、ハンナちゃんの口を塞いでたり、腕を押さえてたりしてるゴブリンの肘を毒魔法で消す。

 で、首を斬ってないゴブリン以外を、ひとまず氷漬けにする。


「ロビンさん、どうしてここに――」

「ハンナちゃん、ゴブリン殺した証拠って残した方がいい?」

 ハンナちゃんの質問を遮るように喋っちゃったので、ハンナちゃんの「え?」の後、ボクは軽く謝って改めて同じ質問をする。

「えっと、片耳か、その、生殖器、を……」


 ボクはハンナちゃんの言葉に、分かった、と同意して、剣の血を首なしゴブリンの服で拭って鞘に収めた後、冒険者セットのナイフを、魔法で手元にび出し、一度氷漬けにしたゴブリンの股間だけ解凍した後、生殖器をもぎ取る。

 執刀の経験は、そこそこあるボクだけど、生殖器をもぐのは、さすがに初めてだからね……。睾丸たまもいる? とか確認しながら、ここにいたゴブリンの生殖器六セットをもぎ取っていく。


 もぎ取る最中、脳裏に浮かぶのはハンナちゃんの身体。

 でかくて長い存在感たっぷりのおっぱい、陰毛のない真っ白な下腹部に、ほんのり光る桃色の何か、ゴブリン越しでもわかるむちむちの太もも……。

 ……いけないいけない、ボクはゴブリンより身も心も大きいんだから、そういうのは後!


 それにしても、もいだゴブリンのブツを改めて見てると全体的に大きいな……。

 あれの身長、ボクの腰ぐらいしか無いのに、ボクの最大時を超える大きさって……。

 睾丸も本当すごい……人は一日にウン千万からウン億の精子を作るっていうけど、ゴブリンはきっと、ウン億が最低ラインなんだろうね……。

 しかも、ただのゴブリンでこれとなると……上位種とかいたら、もっとあるってことに……。


 着替え終わったハンナちゃんに、さらに向こうで戦ってるであろう仲間さん達のことを聞いてみる。

「……割とピンチじゃない?! 急ご!」

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