第5話 妖精の集落に入れない……。
ボクを見た妖精達の、あのオーバーリアクションの謎は多少気になりつつも、
次は何を殺せるかな〜とか、ボクを正面から殺せうる生き物の討伐依頼ないかな〜、とか考えながら次に受ける依頼を探すボク。
そんなボクの目に止まった依頼は、
この前行った森にある、集落に住む妖精達から出た、妖精を消し去った黒く大きな何かの調査依頼。
え、ボク以外に妖精を消せるMP四桁以上の何かが出たの?
ボクは、ほとんど興味本位で、その依頼を受けることにした。
で、例の黒く大きな何かについて話を聞くべく、森の草の影にあるらしい妖精の集落を探しているんだけど、どこだろ?
地図によると、この辺の草らしいけど……あ、このゲートかな?
う~ん、でも、どうしよ、入口が小さすぎてボクの手ぐらいしか入れそうにない。
ボクは手をキツネさんみたいにして、こんにちは~、と挨拶を、いったっ!
痛いって言っても、ペン先で突かれた程度の痛みだけど、文字通り不意を突かれたボクは思わず手を引っ込める。
入口に槍を構えた集落の門番的な妖精さん達が見えた。
……
う~ん、どうしよう?
ボクがギルドに戻って、受付さんに、妖精の集落に入れないことを話すと、
人間が妖精の集落に入るには、そこに住む妖精に招待されるか、妖精に近い魔力を持つエルフから祝福されないと入れないって言われた。
この大陸、エルフもいるのか……。
ホントすっごいファンタジー。
とはいえ、この大陸に来てまだまだ日が浅いボクに、エルフの知り合いなんているはずもなく、じゃあ祝福してくれるエルフさん紹介して、と依頼したら、
受付さんが、きょとん、としてボクに耳を貸すよう言って、こう話す。
「この前一緒にいたハンナさん、いるじゃないすか。ロビンさんだから教えますけど、あの人、エルフっすよ?」
「え?」
思いの外、身近にいたの……!?
あれ、でも、物語でたまに見かけるエルフって、自分がエルフなことに誇りを持ってるイメージなんだけど、ハンナちゃんは違うっぽいよね……。
じゃなきゃ、耳を髪とかで隠さないだろうし。
ボクは受付さんに、この大陸におけるエルフの扱いを尋ねてみた。
「ん〜自分の知る限りっすけど、人間とそんなに差ないっすよ?
エルフって大概綺麗な容姿してるから、そこから、チヤホヤされまくったり、ナンパとか人さらい、もといエルフさらいとかにあったり、文字通り、買われたり飼われたりって話を、たまに聞くぐらいっす」
……人さらいはともかく、買われたり飼われたり……?
「ロ×××」
……っ! なに、今の、女の子の声と姿は……? 顔は、よく見えなかったけど、あの子、裸で座ってた……。
……そうだ、今はそれよりも、エルフの祝福って何するのか、一応確認しとこう。
「ああ、エルフの体液を全身に浴びるんすよ」
「……この剣で、ハンナちゃんを斬り殺せと?」
「いやいや、なんで血液限定なんすか?!
さっきのは自分の言葉が足りてなかったっす、ハンナさんに祝福の言葉を唱えられながらエルフの体液を浴びるんっすよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます