愛するおばあちゃんが死んで以来、何度殺しても死ねないボクは、毒魔法とかいろいろ強過ぎて向こうが死にまくるけど、死ねない理由が知りたい!〜『トリプルマジックストリート 第一部』外伝
第3話 森! 猪×3といじめっ子妖精×5は死ぬ。
妖精の森の黒いもの
第3話 森! 猪×3といじめっ子妖精×5は死ぬ。
なんやかんや小難しいことがありつつも、冒険者ギルドに登録し、依頼を探すボク、ロビン。
簡単に死ねそうな巨大ドラゴン退治は無いとなると……あ、そういえば。
「マスターさん、依頼って一回何個まで受けれますか?」
「初級かつ初回なら、同じ場所で発生している依頼を二つまで受けられます」
同じ場所の二つね……、あ、これとこれにしよ、一個採集依頼だけど。
というわけで、猪狩りと薬草採集に森へやってきたボク。
目的の薬草は十分取れたし、あとは猪狩って、街に
あ、噂をすれば猪だ。ボクに気付かず何か食べてる。
狩った猪はギルドに渡さないとだから、あの簡単に消せる毒魔法は使えない。
でも、ボクが使える魔法はそれだけじゃない。
受付の人が言ったように、ボクは毒魔法以外の属性魔法も使える。
例えばそう、電撃の魔法とかね!
ボクの電撃魔法を食らってビクビクしてる猪。
「キミに恨みはないけど仕事なんだ、ごめんね!」と森へ行く前に買ったショートソードで、猪にとどめを刺す。
猪がある程度失血したところで、ボクは絶縁素材の手袋越しに猪の鼻辺りに触れる。
すると、猪の死体がボクの手の平大のマスコットに変わる。
それを薬草とは別の袋に入れてと。
さて、あと二体だっけ。
さっきとほとんど同じような流れで、あとの猪二体を殺して袋に詰めたボク。
さ、帰ろうと
ボクは魔法で透明になり、瞬間移動の行き先をギルド前からハンナちゃんの前の茂みに変え、片手で羽虫を二匹ずつ、計四匹捕まえる。
「ギャーッ! 化け物!」
へー、イーカセイザ大陸の羽虫って、人の頭を持ってて人語が話せる上に、透明化魔法をかけられてるものが見えるの? すごーい、でも死ね。
そう思いながらボクは、ボクを化け物呼ばわりした羽虫に右手を向け、毒魔法で手の中の羽虫と一緒に塵にする。
空いた右手を左手の羽虫に近づけると羽虫の一匹が「許してくれ……家に妻と娘がいるんだ……!」とかなんとか命乞いしてきた。
妻と娘がいるくせに通りすがりの女の子いじめんなよクズ、と、ボクはそいつの首をねじきって脊髄ぶっこ抜く。
もう一匹の方はどうしよう?
……脊髄ぶっこ抜いた方、首の傷口からの血がすごいな……。
無傷の一匹を一度魔法で眠らせ、ぶっこ抜いた方を地面に落とす。
さて、眠ってる方は……背骨でもへし折ろ。……おーすごい、小さくしようと折った割り箸みたい。
で、ダメ押しに冒険道具セットのナイフの峰でこいつの頭をひたすらボコる。
地に落ちた羽虫二匹を毒魔法で消し、手袋とかについた血が地味に不快なので、魔法で、手がベタベタに見えない感じない程度に洗って、と。
「大丈夫、ハンナちゃん? 怪我とかしてない?」
ボクは透明化魔法を解いて、呆然とした顔で立ってるハンナちゃんに声をかける。
といっても、ハンナちゃんってローブ着てるからな……うーん。
あいつらに攻撃されてた箇所を中心に魔法で透視する。
……下着は白か……じゃない、すぐ処置すべき傷とかは無さそうだね。
「……ロビン、さん……」
あ、そういえば別にハンナちゃんの命かかってないのに、あれが一番
うーん……あれ以外の魔法だったら、もっとひどい目になってたかもだし、いっか!
「なんで普通でいられるんですか? 人を殺したのに……?!」
「人? なんのこと?」
「……ロビンさん、妖精を知らないんですか?」
「んー、本で見たことはあるけど……え、さっきのあれ皆妖精なの?
『人間に友好的』って本にあったのに、ハンナちゃんにはそうじゃないから新種の害ある羽虫かと……。
ていうかまず、妖精って、こっちじゃ人カウントなの?」
「……モンス島では、妖精をなんて教わりました……?」
「んーと、牛さんよろしく牧場とかで、魔力回復に役立つフェアリーミルクやフェアリーシロップを生んでくれる生き物もしくは諸属性のシンボル的生物だね」
「……ロビンさんの故郷って殺人が合法なんですか?」
「まっさか〜! ボクがうまいこと、いろいろやれてるだけだよ。何かのアシがつけば流石のボクも即、逮まっちゃう」
「……ロビンさんって、常識、ないんですか?」
「この大陸の、がつくなら多少肯定せざるを得ないけど……故郷での常識や人としての常識は、一応分かってるつもりだよ。
……あ、つもりじゃダメってこと?」
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