第104話第三の瞳は色々と視えるようです
額に向けた指先を、ちゃんと双眸で確認したリアは、そこで妙な現象を知覚する。
いや、知覚というより、視覚がおかしいコトに気付いた。
あれぇ? えぇぇ~…なに? これぇ?
自分の両目で見ている指先とは別に、なんか妙な文字が浮かんでるんですけど
リアはソレが自分の額にちゃっかりと定着したらしい、第三の瞳がもたらすモノだと気付いた。
んぅ? ………よく視えないんですけど…何か文字が出ている?
鑑定の魔道具の時に似ているけど、そんな音とかしなかったんだけどぉ………
そう思いながら、ピントの合わない眼鏡越しに見える文字のようなモノに、第三の瞳の視線をちゃんと意識して向ける。
あっ…コレ…眼鏡を作ってもらう時に感じたコトある
そうあのレンズを何種類も重ねた眼鏡を掛けた時の視界に似てるんだわ
リアはそんなコトを思いながら、どこかズレたピントをなんとか合わそうとする。
そうすると、妙なブレや滲みがじょじょに消えて行く。
が、文字らしきモノが小さすぎて、読み取るのが微妙だったので、スマホなどで電子小説などを読む時のように、文字の大きさの拡大縮小を調節するイメージをする…と。
*名前
リア(元セシリア・アイリス・ラ・ハイドランジア公爵令嬢)16歳
婚約者エイダン・ラルク・アゼリア王太子から、冤罪により婚約破棄される
その際に、公爵令嬢の身分も剥奪され、身ひとつで国外追放される
強制浄化強化魔道具より解放された為、魔法使用可能
母親や祖母などを目の前で惨殺され為、幼少期の記憶が消失している
…………………………………………………
………………………………………………
………・………・…………・…………
*身分
流浪の民
冒険初心者
*魔法
火魔法・水魔法・風魔法・土魔法
雷魔法・氷魔法・光魔法・闇魔法
治癒魔法・時空魔法・創造魔法
*称号
肉親を奪われ失いし者・虐げられし者・婚約破棄されし者
身分剥奪されし者・追放されし者・魔獣の囮にされし者
大神官及び神官達に慈悲を与えられし者
国土国民の不浄を浄化する責務を背負う義務から解放されし者
前世を記憶している者(まだ一部解放状態)
ヒロイン枠に、大きく踏み入りし者
忠誠と敬愛を受けし者(グレン)
神龍の御霊の揺り籠兼守護者(元龍帝陛下)
神獣の愛し子(ユナ)
魔獣帝の愛し子(ルリ)
精霊達の愛し子
時空神の愛し子(世界創造の始祖神)
*注意事項
身長150センチ(現在値)
過量な脂肪の重量により、身長の成長は停止中
まだ成長途中の為、成長する余地あり(ただし、かなりの減量を必要とする)
体重123.40キロ(マックス時150キロ)
極度の肥満状態(かろうじて、心肺圧迫による生命維持をギリギリ脱した)
追放時よりはそこそこ痩せたが、まだまだ、極度の肥満体型(大墫体型)
早急なるダイエットが必要(まずは、100キロを目指そう)
大火力の魔法を使用するコトを推奨
仲間への治癒魔法を小まめにするコトを推奨
魔法は運動消費エネルギーよりも消費エネルギーが大きい為、ダイエットに有効である
その表示を見た瞬間、リアは思わず素のままに叫んでしまう。
「うぐっ…うっさいわっ………」
その表示を見た瞬間、私は思わずこころから叫ぶ
ぶーたれた表情で叫ぶリアを見て、3人がきょとんとした瞳で首を傾げる。
が、身体的な異常が無いのを見て取り、ルリやグレンは黙って様子を見守るにとどめていた。
ユナは、そんなリアの為に、マジックポーチの中から、買い込んだ薬草や採取した薬草などを出して、ごそごそと始めていた。
そんな周囲の様子に気を配る余裕のないリアは、まだ起き上がれない自分に内心で溜め息を吐きながら、ユルユルと首を振る。
ちょっとぉー……なんで、こんなモンがバッチリと視えるわけぇ~………
もしかして、他人のそう言うのが視える人には、見られちゃうヤツ
コレってもしかしなくても、ものすごぉ~くヤバくない?
いや、それに良く見たら、ちょっとばかりおかしな称号が多くない?
文字化けというか、くわしく表示されていなところも、だいぶあるんですけど
というか、ゲームや小説の主人公でも、こんなに称号って多くないよね
私ってば、どんだけイジメを受けていたのよ?
日々、生きるので精一杯で気付いてないけど、何よコレ盛り過ぎでしょぉ~…
もの凄くネガティブな称号が、これでもかって並んでいるんですけど
それに『前世を記憶している者(まだ一部解放状態)』って何?
もしかして、これからも何かを思い出すってコトかなぁ?
いやいや、それよりも問題なのが『ヒロイン枠に、大きく踏み入りし者』よ
疑惑だけじゃなくて、マジもんでヒロイン枠なのぉ? うそでしょっ
いや、そりゃ~……思い付きで、ちょっと不味いかなってコトしたけどね
グレンの『忠誠と敬愛を受けし者(グレン)』は、純粋に嬉しいよ
こぉ~んなものすごぉ~くデブ…ゲフンゲフン…姿しているのに
それでも、敬愛を向けてくれるなんて、もの凄く嬉しいなぁ
イッケメンでイケボのグレン…衝動買いしたけど買って良かったよ、いや、マジで
まだ、ちょっと完全に馴れたとは言えないけどね
だいぶ、見慣れたしそのイケボにも馴れて来たと思う…うん
じゃなくて………だいたい、ルリってば魔獣帝ってなに?
ユナが、神獣なのは理解っていたけど………
いやいや、それより神龍の御霊って…龍帝陛下の御霊よねぇ
えっ? 神龍って? あの神龍?
確か、時空神様の最初のお子って設定……あれ?
また、変な知識が入っているんですけどぉぉぉぉ~………
もしかして、コレって記憶が更に解放されたってコトなの?
考えてみたら、第三の瞳が勝手に私の額に植わった時に視たモノもあるのよねぇ
それって、龍帝陛下の記憶の一部も共有するってコトなのかしら?
嗚呼…なんか…考えたら、頭が痛くなってたわ
混乱し困惑したリアは、取り敢えず、こころの平安を求めて、こころの中で第三の瞳を閉じるイメージをするのだった。
すると、今の今まで視えていたモノが消えて、ちゃんとした普通の視界へとあっさりと戻り、リアはホッとする。
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