第7話 上級薬草
「ウルト、大好き」
「うええええええ!?!!?」
シエルにキスされ、俺の脳みそはフリーズした。
そしてそのまま、俺はシエルの部屋に連れていかれる。
「あ、あの……シエルさん? 妹さんは大丈夫なので……?」
「うん妹はもう、ウルトのおかげで大丈夫だから、だから……ね……?」
「ふえ……」
積極的な女の子だなぁ……。
俺はそのままシエルに押し倒されてしまった。
「ウルト、私ウルトのこと大好きだから、これからもずっと一緒にいて?」
「ああ、俺もシエルのことは好きだ。一緒に冒険者としてやっていこう」
俺たちはそう誓い、結ばれた。
◆
シエルの家で楽しんだあと、俺たちは再び冒険者ギルドへ向かった。
クエストの報告もしておきたかったし、次のクエストも受ける必要があるからな。
クエストの報告をして、戦利品を金に換える。
ウルトラスライムの体内から吐き出されたお宝は、全部売ると100万Gほどになった。
これで、またガチャが一回引けるな。
とにかく俺はまだまだ駆け出しの冒険者だ。
これから、いろいろとクエストをこなしてSランク冒険者を目指そう。
幸い、ガチャを引く金はまだまだある。
ガチャで手に入ったものを定期的に売れば、まあ金には困らないだろう。
今までろくに金もない暮らしをおくってきたから、これからは少しでも楽をしたい。
だけどガチャの金だけで暮らすってのも、なんだか虚しい。
それよりも俺は、せっかく手に入れた力を使って、冒険者として名を馳せようと思った。
俺は次なるクエストを受けるために、シエルと共にクエストカウンターに向かった。
「今回はどういったクエストを受けますか?」
「うーんと、そうだなぁ」
クエスト一覧から、適当に面白そうなクエストを探す。
まだまだ駆け出し冒険者だから、まずは簡単なクエストを受けよう。
冒険者ランクをあげるには、いろんなクエストに挑戦しないといけないらしい。
「お、これなんか報酬がいいな」
俺が目をつけたのは、上級薬草の採取クエストだった。
そのクエストだけ、やけに報酬が高く設定されていたのだ。
まあ、金は別に困っちゃいないが、あって困るものでもない。
それに、報酬が高く設定されているってことは、それだけギルドにとっては緊急の大事なクエストってことだ。重要度の高いクエストをはやめにクリアしたほうが、向こうも助かるってもんだろ。
やっぱり、冒険者は人助けしてなんぼだからな。
俺も多めに報酬がもらえて、ウィンウィンってことだ。
「あ、はい。こちらのクエストですね。現在ギルドでは、上級薬草の数が少なくなっていて、非常に困っているんですよ……」
「そうなんですか……」
「上級薬草はランクSRの貴重な薬草です。なので、数がどんどん減ってしまっていて……。最近モンスターも凶暴化していますし……。なので、UR装備を持った優秀なウルトさんのような冒険者さんが受けてくれると、非常に助かります」
「よしわかった! じゃあこれを受けます!」
「ありがとうございます」
ということで、俺は上級薬草50個の納品任務を受けた。
さっそく、上級薬草を採りに、暗闇の森へ出発だ。
森について、シエルが不安を口にする。
「でも、大丈夫かな」
「ん? なにが?」
「上級薬草50個もなんて……かなり時間がかかりそうだけど……」
「まあ、大丈夫だろ。とりあえず、なにかガチャを引いてみよう」
前回までのことでわかったことがあるのだが、どうやら俺のガチャは、そのとき必要なものが高確率で出るようになっているようなのだ。
ようは、俺にかなり都合がいい。
ということで今回も、ガチャを引けば、なにか役に立つアイテムが出るかもしれない。
「えい……! ガチャ発動!」
《神秘の薬草》
レア度 UR★★★★★★★★
回復 HP全快、状態異常完治
説明 あらゆる病気に有効な薬草
「おお……!?」
なんか、上級薬草の上位互換みたいなやつが出た。
「でも……これじゃあ、ダメだよなぁ……」
「そうだね……やっぱり上級薬草は地道に探すしかないのかも……」
そうがっかりきていたところだ。
俺の肩の上に乗っていたコハクが、口を開いた。
「主、これと似たようなものなら、我は場所を知っているぞ」
「え……?」
「これと似たような薬草を探せばいいのだろう? 匂いを嗅げば、すぐに見つけられる」
「おお! マジか! じゃあ頼む!」
神秘の薬草の臭いをコハクに嗅がせる。
コハクは大きなフェンリルの姿に戻って、ワンとひと吠えした。
そして、俺たちを背中に載せて、走り出した。
コハクに乗ってついていくと、そこには上級薬草が大量に生えた丘があった。
「うわぁ……すごい!」
「これは採り放題だね!」
俺たちは急いで上級薬草を採取する。
かなり面倒なクエストかと思ったが、これは一瞬で終わりそうだ。
「ありがとうなコハク、よくやった!」
「ふふん。主にほめられるとうれしいな」
俺はコハクをなでなでもふもふしてやった。
コハクの身体からはやわらかい毛並みのいい匂いがした。
今度、ご褒美に肉でも買ってやろう。
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