第2話 UR確定ガチャ♪★★★★★★★★★★
「ついに、100万G貯めたぞ……! これで、有料ガチャを引ける……!」
俺は5年もの月日をかけて、地道にコツコツと金を稼いだ。
肉体労働や日雇いなどで、しんどい思いをして貯めた金だ。
Rの武器を買って冒険者をやったりもしたが、それも長くは続かなかった。
なんというか、パーティでの行動が性に合わなかったのだ。
武器も雑魚だったし、肩身が狭かったしな。
てなわけで、いろんな仕事を転々として、やっとの思いで貯めた100万だ。
それを一気に、ガチャにつぎ込む。
俺の【UR確定ガチャ】というこのスキル、それが無能ではないと信じて……!
「うおおおおおおお!? こ、これは……!」
有料UR確定ガチャを引いて、俺が手に入れたもの、それは……。
《サンライトクリスタル》
レア度 UR★★★★★★★★★★
説明 光り輝く、とても希少価値のある宝石
「まじか……! マジで
URのアイテムなんて、王族か一流冒険者しか持っていないような、超レアアイテムだ。
この目でURの宝石を目にする日がくるなんて……。
「もしかしてこれ、売ったらとんでもない値段になるんじゃ……?」
URのレアアイテムは、どれも高値で取引されている。
なかでも、こんな希少な宝石、きっとすごい値段で売れるに違いないぞ。
そしてこれを売れば、さらにまた金が手に入る。
金が手に入れば、さらにまたガチャを引くことができるんじゃないのか……!?
「そうとなれば……!」
俺はさっそくその足で、宝石商に向かった。
「おお……! これは天然のサンライトクリスタル! しかも無傷で、かなり状態のいいものですな……!」
サンライトクリスタルを手にした宝石商は、ルーペを片手にそう評した。
そうか、俺のサンライトクリスタルは、ガチャで出したものだから状態もいいのか。
普通にダンジョンなんかでサンライトクリスタルを採掘しようとしたら、大きさや状態にもばらつきが出るもんな。
これはさらに値段のほうも期待できるな。
「それで、いくらくらいになるかな?」
「そうですねぇ……これだけの大きな塊でしたら、ざっと1000万Gではいかがでしょうか」
「いっ……1000万!?」
あまりにもの大金に、俺は思わず大声を出してしまう。
1000万ってことは、有料ガチャ10連分になるってことだよな……!?
「よし、売った!」
「まいどあり……!」
俺は、いきなり所持金が10倍になってしまった。
5年かけて貯めた100万が、ガチャのおかげでいきなり1000万だぞ!?
もしかして、いや、もしかしなくても、このガチャスキル、本当はすごい有能じゃないか……!?
確定でURが手に入るんなら、一度100万課金してしまえば、あとは芋ずる式に儲かるしかないじゃないか……!
「これは……俺にも転機がきたな……!」
俺はこのスキルを利用して、成り上がってみせる!
そして俺を無能だと決めつけた父や、俺を門前払いした冒険者たちを見返してやるんだ……!
◆◆◆
「さて、やっぱガチャ回すしかないよな……!」
1000万G手に入ったからには、これを利用しない手はない。
さすがに全部をガチャに突っ込んでしまうのは危険だ。
まずは1回、試しにガチャをまわしてみよう。
「えい!」
すると――。
《破邪の剣》
レア度 UR★★★★★★★★★★
攻撃力 +500
説明 アンデットに特効のある、聖なる剣
「おおお……!? URの武器だと……!?」
これさえあれば、俺でもまた冒険者になれるんじゃないのか……!?
こんなレアな武器、生で初めてみた。
ずっしり手に重い感覚が伝わる。
これを持っただけで、俺もなんだか強くなったような気分だ。
これをさらに売れば、また金が手に入るだろう。
まあ、初めて手に入れたUR武器だから、これは使ってみるつもりだけど……。
とにかく、このスキルはとんでもない。
もしかして、無限に金が増殖するのでは……?
「よし、もう一回だ!」
俺はもう一回、100万G突っ込んでガチャを回す。
《レッドドラゴン装備》(全身)
レア度 UR★★★★★★★★★★
防御力 +652
説明 レッドドラゴンの素材を使った上級装備
「ふおおおおお! ガチャって気持ちいいいいいいいい!!!!」
何度回しても、必ずURが出るなんて最高だ。
レッドドラゴン装備、すっごくかっこいいぜ。
しかも全身装備が一気に出るなんて。
これで武器と防具がそろった。
俺も、再び冒険者になれるぜ……!
全身UR装備で固めるなんて、どんなブルジョア冒険者だ?
よほどの有名冒険者でも、ここまでレア装備で固めてるやつはいないだろう。
俺でもAランク冒険者になれる日も近いかもしれない。
俺は内心、うきうきワクワクしていた。
「よっしゃ、金はまだまだある! もう一回だ!」
俺は欲望のままにどんどんガチャを回す。
《神獣 フェンリル》
レア度 UR★★★★★★★★★★
種別 神獣
説明 テイム主の頼もしいお供となる忠実なしもべ
古から存在する神獣種の代表格
「うえええええええええ!? ふぇ、フェンリル……!?」
俺の目の前にいきなり、もふもふの巨大な体が現れた。
真っ白い毛がふわふわ風になびいて、きりっとした顔つきが実に神々しい。
「主殿。我を引き当ててくださり感謝する。なにか命令はあるだろうか?」
「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!」
「我は最強の神獣、主のいくところなら、どこでも着いていって、お守りする」
「うおおおおすごいな。頼もしい。でも、そのでかい図体はどうにかならないのか……?」
フェンリルは軽く3メートルくらいはあった。
俺を余裕で載せて走れそうだ。
ていうかこれ、エサ代結構かかりそうだな……。
まあ、金はいくらでもあるし、いいか。
「そうだな。小型化もできるぞ」
そう言うと、フェンリルは小さな、子犬くらいのサイズに縮んでみせた。
「ふぉおおおおお!? くわぁあいいいいいいいい!!!! キュート♡」
俺はそいつをもふもふ、よしよし、なでなでした。
かわいくて最強のしもべとか、URガチャ半端ねええええ!!!!
「よし、お前の名前は今日からコハクだ!」
「コハクか。いい名前だ。主、感謝する!」
コハクは小さくなったせいか、さっきより高くてかわいらしい声で返事した。
よし、これで俺にはURの武器と防具、それから頼もしい相棒がそろった。
今の俺なら、きっとすごい冒険者にだってなれるんじゃないか……!!?!?
今の俺なら、パーティを組まなくてもソロでだって戦えるだろう。
それに、UR装備なら、引く手あまたに違いない。
前みたいに気に食わない冒険者に頭を下げて、こびへつらって、パーティに入れてもらったりなんかしなくてもいいんだ。
もしかしたら、美少女冒険者とお近づきになって、彼女ができたりするかも……!?!?
そうときまれば、さっそく冒険者登録だ! 前の冒険者登録は期限がもう切れているだろうからな。
俺は、フェンリルのコハクに乗って、冒険者ギルドを目指した。
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