第2話 火の2

ミスは続くものだ。


午後も春日部は上司にどやされながら定時を迎えた。


あまりに怒られすぎて昼休憩の時に起こった不思議な現象を忘れていたが、会社から出て


妻の咲希に

「車の中で煙草を吸うな」


という約束をあっさり破って

再び人差し指で煙草に火を点ける仕草をした。



何も起きなかった。

昼間のあれはなんだったのだろう。



まあいいや


車のエンジンをかけ、シートベルトをしようとした時に駐車場の外をパトカーが3台と黒塗りの高級感溢れる車が走り去っていった。




そう、このところ名前も覚える気もないが、よくわからない市議会議員が「手下」を連れて連日この辺にやってきている。


会社の近くに小さな山があり、やたら長い階段の先に小さな神社があるのだが、どうやらそこに来ているらしい。パトカーが先導して。





夜に参拝?

何故警察が絡んでる?



不思議な事にメディアも騒がない。



あんな小さな神社になんの用があるのかちょっと興味がある。


が、興味だけ。


ご苦労なこった。

夜に毎度信心深いお偉いさんが参拝なら。


神様か。

そんな物はいない。














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