100%君のせい

136君

兄と妹

「あっ。」


私は嫌な予感がして体を逸らした。


―ドサドサドサドサ、ドン!


バカ兄が1番大事にしているマンガ棚が倒れてしまった。この前折り目がついていただけで小言を言ってきたくらいに大事にしている棚だ。幸いバカ兄はまだ学校だ。バレる前に片付けてしまえばそれでいい。


 順番は暗記しているからそこら辺の心配はない。とりあえず棚を起こして、


「急げ!急げ!」


バカ兄が入れていたのと同じようにマンガを入れていく。あんなでも妙にきっちりしているので、巻数が前後しているだけでバレるから注意して。


「「ただいま〜」」


ちょうど直しきった時にバカ兄と桜さんが帰ってきた。


「おかえり〜!」

「あぁ、俺の部屋にいるのか。」


どんな耳してんだ。声聞くだけでどこにいるか分かるとか怖すぎるし。とりあえず降りよう。


 その日の晩。私の部屋の扉がノックされた。


「杏、いるか?」


バカ兄だ。バレたのかな?ひとまずここは冷静に。


「いるけど、どしたん?」

「ちょっと聞きたい事あってな。」


本格的にやばいかも。


 バカ兄のマンガ棚の前に立たされる。あ〜、終わったな。


「これを見て気づくことは?」


久しぶりのマジトーン。変な汗かきそう。


「本棚と本棚の間、隙間空いてるんだが。」

「…………」


くそっ、完璧だと思ってたのに。


「その反応はお前で間違いないみたいだな。」

、ごめんなさい。」

「おお、今日は素直に認めたな。何があったんだ?」


あれ?まさか気づいてない?この勝負貰ったり!


「ここの段のマンガ取ろうとしたときずれたんだと思う。」


さっき自分で直したからどこがキチキチか分かっている。


「だからここの棚はこれが抜けやすいからこれを抜いてから他のを抜け。」

「なんで隠し扉みたいな感じにしてんねん!」

「キチキチの方がスッキリするだろ!」


とりあえずどうにか誤魔化せたようだ。拷問こちょこちょがなくて安心安心。私はルンルン気分で部屋に戻った。

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100%君のせい 136君 @136kunn

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