倒れた花瓶の真相

いつも猫に追いかけられているハムスターに蛇が言いました。

「テーブルの花瓶の後ろに隠れてごらん。きっと、猫に見つからないはずさ」


いつもハムスターを捕まえられない猫に蛇が言いました。

「ハムスターは花瓶の後ろに追い詰めたらどうだい?きっとテーブルから降りられなくなるよ」


いつもハムスターを心配している犬に蛇が言いました。

「ハムスターがテーブルから降りられないなら、テーブルクロスを引っ張って、滑り台にしたら、きっと助けられるよ」


それぞれが蛇の言う通りに行動しました。

すると、水が入って重かった花瓶がぱたりと倒れてしまいました。

花が散らばり、水が流れていきます。

猫は急いでテーブルから飛び降りて、犬はテーブルから離れ、ハムスターは驚いて固まりました。


倒れた瞬間を見ていた蛇は言いました。

「あらあら大変だ」


飼い主に迷惑をかけてしまった、3匹は蛇に文句を言いました。

「僕は悪くないよ。だって、僕は助言しただけだからね。それに実行したのはアンタ達じゃないか」

そう言われてしまうと3匹は何も言えなくなりました。


それぞれが自分の居場所に戻り、蛇は呟きました。

「あー、楽しかった。皆、揶揄うと騒がしくて楽しいね。言葉は届かないのにあんなに言い訳して」

蛇はまた思い返してクスクスと笑いました。


それから、蛇は舌を出しました。

「あーぁ、早く捨てればいいのに、愚かな飼い主さん」

蛇は、その花が毒であることを知っていました。だから、3匹をそそのかしたのです。

蛇の困った趣味だったという理由もありますが、一番の理由は飼い主を思っての事です。

しかし、気づかずにまた花を生かしてしまうところを見て、蛇は呆れました。

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花瓶を倒したのは 熊のぬい @kumanonui

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