第6話

 長平の髪に白いものが混じり始め、娘の手足が伸び切ったころ事件は起こった。町の空き地にメガソーラー発電所が建築されるプロジェクト、長平は町役場の要職に就いておりこのプロジェクトでもある程度の決済ができる立場にあった。ある日町役場に市民オンブズマンを名乗る団体が押し寄せてきた。住民監査請求による権利を有した彼らが長平たちに突き付けた文書、正規料金の数倍で用地購入が行われていた。わかりやすいほどの汚職事件、町から支払われた過分な料金が簒奪者へ流れていることは明白であった。そしてこの重要文書に長平の印鑑が確かに捺印されていた。

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