第4話

 以前は小さく弱い存在であった弟がいつの間にか長平の背丈を超え、体格だけでなく柔道までもがその兄を超えた時、兄である長平は弟の成長を素直に認め、喜んで父の道場を弟に任せることにした。道場を後にした長平は柔道家として人生を送るのを辞めて町役場で働くことになった。彼の目に迷いはなかった。

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