【KAC20236】アンラッキーが成立しました。

リュウ

第1話 【20236】アンラッキーが成立しました。

 久しぶりに休みを取った。最近は、仕事と色々と忙しかった。


 なぜ、働きすぎかと言うと、周りの人間が仕事が出来ないからだった。

 指示を出しても、意味が通じていない。バカなのだ。

 僕より、頭のいいヤツがいない。

 新人に「そんなこともできないのか!」怒鳴りつける毎日だった。

 パワハラまがいの事をしたいたが、僕みたいに仕事が出来れば、怒られることがないのに。(多分、パワハラに違いない)


 だが、そんなできないヤツの中で、昇格したヤツがいる。

 僕からみると、全然、能力がない。

 それなのに、大したいい男でもないのに、なぜか年寄りと女子社員に人気が高い。

 みんな見る目がないのだ。

 

 最近では、将来性のある仕事を任せられ、バカな上司がヤツを昇進させた。

 ヤツには、荷が重い。行き詰ってから、助けてやろう。

 感謝されるし、評価も跳ね上がる。

 当然、ヤツは、忙しくなった。最近は、僕より忙しくなっていた。

 

 羨ましいことに、総務の一番人気の美紀ちゃんと付き合っていたのだ。

 ヤツのスケジュールの隙をみて、美紀ちゃんに手を出した。

 寂しかったせいか、僕の誘いをOKしてくれた。


 仕事に時間が取られ、色々と我慢していた僕にご褒美だ。

 美紀ちゃんを誘って先ずは、腹ごしらえだ。

 コンビニ飯に飽きていたので、寿司と焼き肉にしょうと決めていた。

 寿司と焼き肉をたらふく食べた。注文ししすぎて、少し残してしまったけど。

 メタボだ、中性脂肪が多いとか、気にすることはなく、身動き出来ないほど、食べた。

 幸せって感じだ。誕生日だって、嘘を付いたら、おまけしてくれた。

 ラッキー。


 後は、美紀ちゃんとお楽しみだけだ。

 ムードのある場所に移動しなくちゃと僕はタクシーに手を挙げた。


 それから、僕の見ている世界はスローモーションとなる。

 僕が手を挙げたことに気付いたタクシーが左にハンドルを切り、僕の前につけようとした。

 タクシーの後方から、暴走車が来ている事には、気づかなかった。

 僕は、暴走車にはじかれたタクシーにひかれてしまった。

 美紀ちゃんの驚いた顔が、目に焼きついていた。


 僕の耳元で何か囁かれていた。

「ラッキーより、先にアンラッキーが成立しました。

 七つの死に至る罪、アンラッキー7」

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