第1話「ペスカトーレ①」の導入が鮮やかだ。
親の借金を返すため防衛大学校を選んだ自衛官・釣野理華が、突然上官に呼ばれ「外星人対策部・地球防衛軍宇宙艦隊参謀部」への転属を告げられる。宇宙艦隊戦の映像、質量を持つ立体映像、そして二百歳超の「銀河の覇者」——荒唐無稽な設定をテンポよく畳み込み、理華の冷静な反応(「ウルトラ○ンと一緒に怪獣の相手をすれば、いいんですか?」)で笑いを取りながら、気づけば世界観にすっかり引き込まれている。
「死者が出ない競技弾で行う艦隊決戦」という設定が巧みで、人類の存亡をかけた緊張感とスポーツとしての熱狂が同居する独自の世界観が魅力。ゲーム大会で優勝した民間人が選抜されるという展開への期待感が高まる。
諸々あって会社を辞めた文野真里は新規のオンライン宇宙艦隊戦SLG(シュミレーションゲーム)『銀河大戦』と出会い、一周年記念の大会ではなんと強敵を下して優勝を果たした。……それにより報されるのだ。地球人は異星人によって試されている。合格するには異星人と本物の宇宙艦隊をぶつけ合う『銀河大戦』で勝利しなければならない。しかもこれが最後のチャンスであるのだと。艦隊司令長官となった真里は地球の未来を決めるゲームへと臨む。
万単位の艦が宇宙にひしめく艦隊戦はスペオペの醍醐味ですよね。しかもそこへ真里さんの司令としての戦略が置かれて戦術が為され、指揮下にある指揮官たちの奮迅によって戦局が動いていく様を見ながら戦闘の行方を追えるのですからたまりません。
ゲームが土台に置かれていて感覚的にわかりやすいことも魅力な本作ですが、キャラクターのスタイルや思考を軸に練り込んだ、爽快なだけじゃない物語としての分厚い魅力が最大の売りです。
さあ、真里さんと仲間たちがどのように活路を切り拓くのか? 刮目してご覧ください。
(「ロマンとの遭遇! スペースオペラ!!」4選/文=高橋剛)