第四章 ブレイクタイム

 マンデラ効果…

 パラレルワールド…


 確かに理論は聞いた事があるし、そのような書籍や配信は数々ある。


 私自身も漠然とだかあるのではないかと信じているのが正直な意見だ


 こうしてシーバスさんと話している光景は


 読者から見れば、私達の存在している世界であり、パラレルワールドの世界の一つではないかと思案してしまう。


 読者はこの作品を読む

 この行為はシュレディンガーの箱を開ける行為ではないかと


 私は勝手に思ってしまった。


 そしてシーバスさんは

 私にその空間、もしくは時空、存在を超越した高次元を垣間見せる案内人、いや案内ネコなんだろうと…


 もう少し、彼の話を楽しんでみよう


 そして私はまた知識の世界にトリップしていくのである


 シーバスさんが笑顔で優しく語る。


 達也どの、一旦ブレイク致しましょう。

 今まで専門的な内容ばかりだと

 頭が疲れてしまいます。


 こう言ったお話は脳みそで言えば

 簡単なエクササイズやレジャーだと思ってみてください


 試合でもスポーツでも戦争のような命懸けでやるわけではありませんからな


 ゆっくりとまったりとです。


 今日は本当に暖かい

 もう、春なんですね…

 私はこの春という季節が一番好きですね。


 私だけでなく草や花、虫や動物がこの心地よさを身体いっぱいに感じている季節じゃないですか。


 まさに、気持ちいいを身体いっぱいに浴びれる季節ですね


 ほら、見てごらんなさい湖の水面がキラキラとしています。


 まるで宝石みたいだ


 桜並木の甘い香りがして来ませんか?


 暖かい風とともに私達にプレゼントしてくれているみたいじゃないですか。


 兎角、達也どのの人間の世界は

 セカセカと時間に追われ何かと急いでいる

 印象がありましてな。


 おそらく相手様の気持ちに対してを重点にした結果なんでしょうな…


 お客様のために商談の時間を早めに着いてなければ失礼だとか


 相手の思考の先を読んで

 自ら相手が楽するようなことを交互にする


 来客とて、朝も早くから準備している人もいらっしゃるでしょうな


 とにかく相手の為に自分に厳しくしてる感覚がしますね


 悪いというわけではありませんよ

 相手のことを思い喜ぶ顔が見たいって

 素敵なことじゃありませんか?


 ただそれだけで

 相手は喜んでいただけるのでしょうか?


 確かに相手の都合を考えたサービス精神いわゆる施しはとても心地よく気持ちのいいものです。


 しかしながら

 継続的にその施しを受け続けると

 当たり前になります。


 それは何事も同じです

 継続的な嬉しい事は当たり前になる


 そしてもっともっとともう一つ上の嬉しい事を望んでしまう。


 これは仕方ないんだと思います。


 私は以前カリカリとしたキャットフードを

 頂いた事がありましてね


 最初のうちは美味しく感じましたが

 ずーっと毎日食べていると

 さすがに飽きてきましてね…


 気づいたら港に行って落ちている新鮮な魚を好んで食べるようになっていましたよ


 達也どのもそのような経験お有りでしょ?


 しかし、日本人の性格なんでしょうか人間の性格なんでしょうか…


「相手のためにならどこまでも考えること」

 を少なからず常識としてます

 その施しには際限がございません。


 故に施しを与える人間は

 いつかは飽和状態になってしまう

 いわば犠牲のための施しなのではないでしょうか…


 何のための施しなのかわかりませんね…


 だからこそ、私達は春の些細な心地よさを公園で感じようじゃありませんか


 風の暖かさ

 木々の若い匂いや水面のキラキラ

 そして子供達の無邪気な笑い声…


 全ての感覚で春の午後を感じる

 そして、このお茶を飲む…


 うん、とてもうまいっ!


 こう言う時間も必要なんですよ。





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