狙い絡む視線

藤間伊織

本文

ね~隣席の縁で話聞いてよ~。え?あたし?ただの酔っぱらーい。だってヤなこと立て続けに起こったんだもん。連休前だしパーッと飲みたくなったのー!ダチは「飽きた」って帰った。冷たくね⁈


聞いてくれる?やったー!お礼にビール奢っちゃう。店員さん、生2つ!

で、一ヶ月位前の話なんだけどサア。仕事終わって駅行くじゃん?早く帰ろーって。ケド、その日は途中で呼び止められたの。……誰にって、占い師?で、そのばあさん急に紙になんか書いて押し付けてきたの。「最後まで気をつけな」とか言ってキモかった。


お、もうビール来た。……ング、ング。プハーッ、美味い!あんたも飲みなよ。お、いい飲みっぷり!


んで、渋々受け取って家で見たら人の目みたいなのが7つ。最悪!ってカンジ。すぐ捨てたよ。キモいもん。でね、その数日後ストーカーが捕まったのよ!そう、アタシストーカーされてたの。家まで来やがったから通報して捕まえてもらった。その時は特になんも思わなかった。そしたらその一週間後、通り魔に襲われた。偶然通りかかったお巡りサンに助けられなきゃ死んでたよ。女ばっか狙ってたらしいサイコパス。で、更に一週間後。うん、まだ続く。今度は車にヤられそうになったの。しかも運転手は会社の先輩。その人?捕まった。動機、気に食わないからって。ひっどい話だよねー。


てなわけで、厄払い兼ね飲んでるってワケ!ゴクッ、プハッ。あー、もっとぉ……。



***


ん……寝てた?あれ、あんた確か……。ここは公園?介抱してくれたの?

.....はぁ。三人に狙われて、死にかけて。あの絵受け取らなきゃよかったかな。7つの目、ああ気持ちわる。


え?三人だから六つの目?

.....何してんの⁈目、左目!は、義眼?


小学校?虫眼鏡?何言ってんの?知らない、そんなの。待って、嘘、アイスピックで何すんの。


あ!あんた、昔アタシがいじm……イヤァ――

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