第十一章 なんで? どうして? そうなった!?
第102話
婚約者候補たちと仲が良くなるのと同時にお妃様たちと交流したからだろうか?
最近、よくアプローチされるようになったのだ。
婚約者候補の彼らじゃなくて、お妃様たちに。
カーシャ様はやたらと本を薦めてきて一緒に読書しようとする。
別に会話するわけじゃないから、なんで? って思う。
カトリーナ様はお茶に誘ってくれるけどヴェイトス自慢と父様への愛を延々語られるので結構しんどい。その上プレゼントしてくれるっていう服とかが全部フリフリでちょっと困る。
カレン様は……お茶とか、会話に誘われるわけじゃなくて、やたらと食べ物が届く。
お菓子はわかるけど、魚や肉も届くってどういうこと。
餌付け……かな……?
(なんで私? なんで私にアプローチ?)
私に今更取り入るよりは息子とその婚約者と仲良くなった方がいいんじゃないかと。
それともあれかな?
自分たちの息のかかった候補が私と結ばれた後、自分たちの息子の戦力に……ってさすがにそれはないな。
現段階で一番弱いの、私だもんな!!
父様と兄様たちが『家族大好き』タイプの人たちじゃなかったらいの一番に排除される役割かなってくらい弱いのが私だよ。
自覚してる。
「アリアノット姫には母親が必要ですわよ。うちのパル=メラとも仲が良いですし? カーシャ様は頭でっかちで社交のことなんてわからないのですから、安心して外交の方に力を入れてはいかがかしら?」
「……着飾れば良いというものではなく、アリアノットさまにはもっと清楚な装いがよろしいかと」
「んまあ! この年齢の可愛らしさを引き立てるのはフリルとお花ですわ!」
「それは勿論似合いますが、そればかりというのは」
(……どうしてこうなった)
私はただ、部屋に籠もってばかりだとキノコが生えるから
気がついたらカトリーナ様がやってきて、それをまるで見ていたかのようにカーシャ様がやってきて……まあこうなった。
護衛であるテトをちらりと見れば、無言で上を指さし。
見上げれば、カーテンの隙間からこっちを見ているカレン様の姿があった。
(……こっわ)
正直どうしてこうなったとしか言い様がないっていうかね?
婚約者候補の美少年たちを攻略するはずが、お妃様を攻略しちゃいました☆ってか?
(どこのラノベだ!)
しかも私が主人公で誰が喜ぶんだその状況!!
一緒にいるソレイユが退屈そうに大きな欠伸をした。
「……失礼します、第七皇女殿下。皇帝陛下がお呼びでございます」
「えっ?」
げっそりしているとそこに父様の侍従が現れた。
でもこれはきっと天の助け! ありがとう父様!!
私は満面の笑みでその場を後にしたけれど、まだお二人は言い争っているようだった……。
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