第9話 僕のモヤモヤは広がっていく
そろそろ違う話をしてみようか。
昼過ぎは周りがお風呂介助で多くの職員が上の階のウズノ湯に入るため人が少なくなるんだ。
それで僕はある先輩と見守りといって高齢者の転倒防止や話し相手などをするために、その先輩と一緒になった。
だけど、その先輩は僕と居たくなかったみたいで僕とその先輩からめんどくさいと思われていた高齢者の方1名をこの辺を回って来てと言われ、僕はその高齢者の方と回った。
最初はその高齢者と話しながら回っていた。
だけど、僕はその時気づいたんだ。
その先輩からしたら、僕は邪魔な存在なんだって。
僕はただずっとぐるぐると同じ場所を回ってた。
その時違う先輩が僕に声をかけて来た。
『なんで、〇〇さんと一緒にいるの?』
『✖️✖️先輩が回って来てと言ったんで』
『はー、あの人は何やらせてんだか』
そう言ってどこかへ消えてしまった。
僕は何周したかわからないぐらいフロアを回っていた。
その利用者様はどこを通ってもまるで初めて来たかのように話した。
多分それが認知症だったんだと思う。
でも、僕にはその時介護の知識があまりなかったから、先輩の言う『あの人は認知だから』とかそんな言葉の意味をなんとなくしか理解出来なかった。
それで、話は戻るけど僕はその利用者様がお風呂介助の順番になるまでずっとフロアを回り続けたんだ。
その後、その話を上司にしたら笑い話にされたのを覚えている。
しかも、そういう人だから仕方ないよみたいな事を言われた。
そういう人で片付けられる問題なのかな。
だんだん自分の気持ちが相手に伝わっていないことがとても悔しくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます