魔法少女とは、二面性である。
正義と悪と。変身前と変身後と。愛と憎しみと。希望と絶望と。対立と和解と。戦いと日常と。
それぞれがかけ離れているようであまりにも近く、触れ合うほどそばにあるのが魔法少女である。
この作品も、それに準じている。ただし正義と悪の概念は曖昧となり、和解の余地はない。
そう、魔法少女まどか☆マギカ以降舗装された『ダークな魔法少女もの』の道をひた走っているのだ。
ひとりの少女が心に付けた傷は、心に負った傷は。永遠に癒えることなく他の少女へと伝播していく。
悲劇は終わらない。その傷が新たな魔法少女を生み、新たな願いを生む。
まさしく『魔法少女のねがいごと』である。