『ヒロシゲのぶろぐ』 2

 7月2日

 ヒロシゲのぶろぐです。

 このブログに記録を残しておこうと考えたのは、昨日書いたような、あの男への疑惑がふくらんできたからだ。

 もしもの場合に備えて、Nにもママにも知られない形で、偽らない事実と、僕の考えを、残しておきたいと思う。


 六月ぐらいからだろうか。日を追って、ママの僕を見る目が、よそよそしくなってきた感じがする。それこそまるで、邪魔者を見るみたいに。

 僕のいないところで、Nとママは毎晩楽しそうに話をしている。

 もしかすると、あいつがママに何か吹き込んで、僕を邪魔に感じるように、思い込ませているのかもしれない。

 ひとつ、ママが変わった態度をはっきり僕に見せたのは。これも、先月ぐらいからだ。ケータイの中を見せなさい、と言う。開かせて、メール履歴や通話記録を、調べている。

 自慢じゃないけど、ケータイを持たせてもらって一年近く、僕は、メールも通話も数えるほどしかしていない。学校帰りに遅くなるとき、家に連絡を入れたぐらいだ。何しろ、それほど親しい友だちがいないんだから。

 中を見て、ママも納得したみたいだけど。何を調べたいのか聞いても、答えない。その後も、週に一回ぐらい、見せなさい、と言ってくる。

 これも何か、あいつが吹き込んだせいだろうか。

 いつでも親に中を見せられるようにしなさい、というのはケータイを買ってもらったときの約束だから、断ることもできないんだけど。

 僕が風呂に入っている時間に、部屋を調べたんじゃないかと思われることもあった。机の上のものが動いたり、引き出しを開けたらしいあとがあった。

 何か、僕の行動を監視しようとしているのか。

 それが、あいつのせいだとしたら。

 ママは、精神的に病気の状態だ。何か言い含めて、息子を邪魔だと思うように、することもできるんじゃないだろうか。もっととっぴな想像をすれば、少しずつ嘘のことを吹き込んで、息子など最初からいなかったんだと思い込ませる、なんてことさえあり得るかもしれない。


 暑さに頭がいかれてきた、僕の考えすぎだと、思いたいけど。


 そもそも、あのNという男は、家賃や生活費に困って、この家に転がり込んできたんだ。

 うちは、大金持ちというわけじゃないけど。僕の学費や今後のママの生活に困らないぐらいの貯えはある、というママの話だ。

 邪魔な息子の、僕が、いなくなれば。あの男はそう、ママのヒモみたいな感じにおさまって、当分は楽に生きていけるんじゃないか。司法試験を目指して勉強中、というのが本当か嘘かも、知らないけど。もし本当だとしても、そのあてになるかどうかわからない合格までの、生活の保障、という感じで。


 本当に、考えすぎかもしれない。けれど、そんな想像がふくらんできて。万が一の場合に備えて、このブログに記録を残しておこうと思ったんだ。

 紙に書いたり、ケータイのメモ機能に書いたりしたんじゃ、見つかって消されてしまうかもしれない。今のところ、ケータイからこんなブログを書いていることは、気がつかれていないようだし。最悪、見つかって後から改変されても、ブログのサーバーには記録が残っているはずだ。

 当分、少なくとも二、三日に一回ぐらいのペースで、書き込んでいこうと思っている。もしこのブログの読者がいて、何日も更新が止まっているのを見つけたら、おかしい、とどこかへ届けてほしい。

 これ、本気でお願いします。



 7月5日

 ヒロシゲのぶろぐです。

 前回、『二、三日に一回ぐらいのペース』と、自分で宣言しておいたのに。リミット近く、三日も、間を空けてしまった。

 言い訳になっちゃうけど、何もかも気分悪いことばっかりで、落ち着いて書き込みに集中できないんだ。

 気持ち悪いぐらいの、暑さは続くし。窓を開けたら、ますますマンション工事の騒音は、耐えきれないレベルだし。それで窓を閉めたら、汗は止まらず、暑さで頭がぼやけてくる。


 ママの態度は、よそよそしい。あの男ときたら、ふつうには、にこやかに僕に笑いかけてるかと思うと。別なときには、こちらがちょっと別の方を見ていて向き直る、そんな瞬間に、変にこっちを観察しているみたいな冷たい目が見えたりする。やっぱりどこかおかしい、怪しいとしか思えない、感じだ。


「どうしたい? どこか具合悪かったりする?」

 さっき、夕方には、さも心配そうな顔を作って、Nが聞いてきた。

 何ともないと、首を振ると、

「夜になっても熱中症に注意って、テレビで言ってたよ。頭を冷やすとか、対策をしておいた方がいいんじゃないかな」

 わかった、といいかげんに答えて、僕は冷蔵庫から麦茶を出して飲んだ。

 確かに、頭がぼんやりしてくるとか、熱中症を疑ってもいいかもしれない。


 こちらの二人の会話は、聞こえているんだろうに。台所にいたママは、振り返ることもなく、夕食の支度を続けていた。


 何となく、どこかあちこち、様子がおかしい。

 考えて、僕は、頭が痛くなってきた。


 頭が痛くて、書き続けられない。

 今日は、ここまでにしよう。



 7月7日

 ヒロシゲのぶろぐです。

 夕方になって、今日の作業が終わったマンション工事の現場が、窓から見える。確かに、土台をこれから固めるところらしい、大きな穴があいている。


 世間では七夕、あるいは日付に7が並んだラッキーな日、と浮かれる頃なのかもしれないけど、僕の気分は最悪だ。誰かにラッキーがいく分、何処かに不幸が集まる、ということでもあるのか。


 昼間、Nは仕事に出かけていた。

 残された僕ら親子は、いつもの日常。昼過ぎ、僕は一階に下りて、ママと冷やしラーメンの昼食を食べた。

 皿を片づけて、二階に戻ろうとしたとき。いつもとちがうことが、あった。テーブルについていたママから、呼び止められたんだ。

 テーブルに戻るように、頼まれて、僕はそれに従った。それから、しばらく口ごもってから、ママは言い出した。

「あの男――」

 もちろん、Nのことだろう。僕は、黙って耳を傾けた。

「この家で勝手させてるの、不思議に思ってるだろうね」

 久しぶりにママにまっすぐ目を向けられて、僕はうなずいた。

 言い始めてからもためらう様子のまま、話は続いた。

 聞いて、僕はびっくりして、しばらく何も声を出せなかった。

 ママの話によると、つまり。ママはずっと、あのNに、脅迫されていたというんだ。父の死亡のときに、ついて。

 公には、父がヤクザに刺されたのは、勤務中のことで、殉職ということになっている。しかし実際には、プライベートに付き合っている女と、会っていた。これが公表されたら、殉職という扱いは撤回されるかもしれないし、父の名誉は地に墜ちるだろう。ということだ。

 最近になって、Nは金の追加を要求してきたという。

「こんなことが続くようだと、もう耐えられない」

 僕から目を逸らして、うつむいて、母は言った。

「あんたにこんなこと、言う気はなかったんだけどね」

 もう、あの男を排除するしかない。そんな悲惨な事件が起きてから、僕が真実を知るのでは、ひどすぎるだろう。そう、考えたと言う。

 でも、排除って――。

 問い返すと、ママはまたしばらくためらってから、答えた。

「今夜しか、チャンスはないの」

 どういう、意味だ?

 何度も問い返して、ようやく僕も、理解した。

 この家の、斜め向かい。マンションの、建設現場。

 ずっと土台を固める工事をしてきて、今日はその最後のものらしい、大きな杭を打つための穴を掘っているんだ。これまでの様子からすると、今日穴をあけて、明日そこにセメントを入れて、杭を打ち固める作業をするはずの。

 今夜なら、あの穴に何かを落として、上から土をかけておけば。明日、その上から杭が打たれて、ほとんど永久に、それが見つかることはない。

 ママは今夜、Nをあそこに誘い出して、後ろから頭を殴って、あの穴に落としてしまうつもりだと言う。

 しばらく絶句したまま、僕は考えた。

 無理だ。

 ママの体力で、そんなこと、できるはずがない。隙を見て殴ったとしても、まず、相手の動きを奪うこともできない。あっさり反撃されて、おしまいだろう。

「でも――」

 そんな指摘をしても、ママはただ首を振った。

 説得や脅しでは、あの男は絶対諦めない。もう最終手段しか、残されていないんだと。

 その辺、僕にはどう判断したらいいのか、わからないけど。でもとにかく、ひとつだけはっきりしていることがある。

 そんなこと、ママに実行させるわけにはいかない、ということだ。

 この実行には、そこそこの腕力と、素速い動きができる運動神経が必要だ。どちらも、このママからは、ほど遠いものだ。

 強行しても、反撃されてひどい目に会うか、失敗して警察行きになるか、どちらかしかあり得ない。

 それぐらい、なら。

 僕がやる。

 と、ためらいなく、口にしていた。

 腕力も運動神経も、人に自慢できるほどじゃないけど。少なくとも今では、ママよりはましなレベルだ。

 考えを、僕はママに話した。

 いつものように、ママとNは夜になって一緒に酒を飲む。その間に、こっそり僕は外に出て、工事現場の中に隠れる。ころ合いを見て、ママがNを散歩に誘う。理由をつけて、工事現場の中に誘い込む。その後は、ママは急いで家に帰って、知り合いに電話をかけて話し込む。僕が始末を済ませて、家に帰る。それまでママは電話を続けて、僕を出迎えてはいけない。

 Nがうちに住み着いていたことを知る人はいないはずだから、姿を消しても怪しまれることはないだろう。少ない荷物は、後からゆっくり始末をすればいい。もし警察などがうちに調べに来たとしても、Nはこの夜にふらっと外出してそのまま帰らない、と答えればいい。もとから、この家に泊まったり、よそへ行ったり、気まぐれな人だった。Nがいなくなったとき、ママはずっと電話をしていたし、僕はいつも通り二階の部屋にいた、と。

 とにかく、死体が見つからない限り、それ以上疑われるはずはない。明日が無事に過ぎれば、絶対死体は見つからなくなる。僕がちゃんと始末をすれば、すべて問題はないはずだ。

 なかなかママは、納得しなかったけど。僕が何度も説明して、ようやく最後には、うなずいてくれた。

 さらにくわしく打ち合わせをして、夕方Nが帰る前に、僕は二階に戻って部屋に籠もった。いつもとちがうところを見せて、警戒させてはいけない。

 また、ひっきりなしに汗がふき出す、部屋の中。頭の中で、何度も計画をチェックして。大丈夫、これしかない、と僕は確認した。

 いつもと様子が変わらないように気をつけて、帰ってきたNと一緒に、夕食をとった。何も知らないNは、おなじみのなれなれしい笑顔で、一人でしゃべっていた。それほど熱心じゃなく相づちだけ打って、その後すぐに僕が二階に戻るのも、いつもと変わらない行動だ。

 夜になっても蒸し暑い部屋の中で、僕は膝を抱えて、時を待った。


 夜十一時を回ると、近所の窓の明かりも消え始める。

 下では、まちがいなくいつも通り、ママとNが酒を飲んでいる。

 もうそろそろ、だろうか。

 念のため記録をしていた、この書き込みも、ここまでにしよう。

 これから僕は、気配を殺して、外に出る。二階の納戸にあった、父のゴルフクラブを、背中に隠し持って。



 7月8日

 ヒロシゲのぶろぐです。

 昨夜遅くの仕事を済ませて、帰ってきてからは目を開けていられないほど疲れていて、朝まで死んだように眠っていた。なんだかんだで、ようやくこの夕方になって書き込みをしている。


 結論から言うと、昨夜はあのゴルフクラブを使うことはなかった。マンション工事現場であの男と話し合って、この家を出ていってもらうことで了解させたのだ。もちろんママへの未練はかなりあるようだったが、脅しも入れた説得で何とか納得させた。

 一方で、帰宅してからのママへの報告は、計画通りあの男を始末したということにした。あの男がまだどこかにいるということだと、ママの精神が休まらないだろうと思ったからだ。

 そんな僕の報告を聞いて、

「そう」

 と、ママは何となく無感動な声でうなずいた、だけだった。

 今日になると、もうあの男がこの家にいたことを忘れたように、自然に振る舞っている。

 本当に心から納得しているのかは、その表情から窺い知れないけれど。

 しばらくは静かにして、観察が必要なのじゃないかと思う。


 斜め向かいの工事現場では、予想通り今日で、あけた穴へのセメントの流し込みと杭打ちが終わったようだ。昨夜遅く覗き込んだ、黒々としたあの大きな穴が、今日の夕方にはもうその形跡もなくなっている。何かいろいろな意味で、一つの区切りがつけられたという感じだ。



 7月10日

 ヒロシゲのぶろぐです。


 今日もママは穏やかで、あの男がいない日常に慣れたように、落ち着いている。

 このまま慣れてしまうのが本当にいいことなのか、僕にも判断はつかないけれど。とにかく、落ち着いているのはいいことなのだと思う。


 夕方には、ママに付き添って買い物に出かけた。

 何でも、近所の人が『息子さんは元気でいるのか』を気にし始めているようなのだという。妙な噂を立てられるのも困るので、親子で外を歩くという姿くらいを見せることにしたのだ。

 僕は中学のジャージを着て、しかし無防備に姿をさらすのも落ち着かないので大きなマスクをつけて、外に出た。一部で夏風邪が流行り出しているということなので、そういう格好でも不審には思われない。

 途中で近所の知り合いと出会ったが、ママは明るく挨拶して話をしていた。

 スーパーマーケットで買い物をして、僕は大きな荷物を持たされることになった。

 一緒に家に入るとき、ママの様子に変化は見られなかった。



 7月12日

 ヒロシゲのぶろぐです。


 今日も一日、何事もなく過ぎるかと思われたが。

 夕食の後で、思いがけないことがあった。テーブルに着いたまま、ママが泣き出したのだ。

 あの男がここにいないのを悲しんで、ということだ。

 僕は一生懸命なだめて、十分くらいかけてようやく泣き止ませた。

 あの夜は、『計画通りあの男を始末した』と報告したわけだけど。今、ママの頭の中であの男がどうなったことになっているのか、想像が及ばない。結局なだめるために、『そのうち帰ってくるから』という言い回しを使わないわけにいかなかった。

 しくしくという感じにしばらく泣き続けて、ママはようやくその言葉に納得してくれたようだ。


 ママを寝かしつけて、外を見ると。

 斜め向かいの工事現場では、一面コンクリートの平面が出来上がっている。少し前までいくつも大きな穴があけられていたのが、まるで嘘のようだ。確実に時が過ぎている、証のようにも見えてくる。



 7月13日

 ヒロシゲのぶろぐです。

 外は、七月になって初めての雨がしとしと降っている。家の中にいても、心の底からカビが生えてきそうな日だ。


 ママは朝から天気とは裏腹に、陽気な様子だったけれど。昼過ぎからは一転して、めそめそとすすり泣きを続けている。すすり泣き、しゃくり上げの合間に、あの男の名を呼んでいる。

 僕は何度も、『そのうち帰ってくるから』という言い回しをくり返す。

「本当に?」

 と、赤らんだ目を上げる、ママのその様子が妙に子どもっぽくさえ見えてしまう。

 なだめすかして、今日はいつもより早く、ママを寝かしつけた。



 7月14日

 ヒロシゲのぶろぐです。

 今日も、外は雨。起き抜けから、どよんと気持ちが落ち込んできそうな。


 ずっと無表情に落ち着いているように見えていたママが、夕方、以前ならあの男が帰ってくる頃合いになって、またすすり泣きを始めた。時間をかけて、なだめて。

 ママが病気を治して落ち着けば、きっと帰ってくる。

 と言うと、

「本当?」

 と、少し光の戻った目が上がった。

 大丈夫だと、保証して。明日、病院に行くことを約束させた。

 間違いなく、いい兆候だ。

 明日、病院に付き添って行こうと思う。



 7月15日

 ヒロシゲのぶろぐです。

 今日は雨もやんで、快晴というわけにはいかないけど、病院へ行くには都合のいい天候だ。と、思っていたのだが。


 朝食の後で、まだぐずるママをもう一度説得して。外へ出る支度を調えているところへ。

 玄関のチャイムが鳴ったのだ。

 ママが応対に出て、僕はドアの陰から窺っていると、来客は背広姿のまだ若い男だった。

 会話のやりとりで、分かった。中学の、担任の先生だった。

「息子さんと話をさせてもらえませんか」

 と、しきりにママに頼み込んでいる。

 ママはそっとこちらを振り向きながら、

「会いたくないと、言っていますので」

 と、断ってくれた。

 何度かのそんなやりとりの末、先生は諦めて帰っていった。

 平日で学校がある日のはずだから、授業のない時間を使って来たということだろうか。ご苦労様とねぎらいたい気もするけれど、僕はここで先生に会うわけにもいかない。

 そんなことより。

 そんな応対をしただけで、戻ってきたママはすっかり疲れた様子になってしまっていた。改めて促しても、病院へ行く気は完全に失ってしまっている。

 くり返し説得をし直してようやく、明日は行く、と約束をさせた。

 とんだハプニングで、仕切り直しの格好だ。



 7月16日

 ヒロシゲのぶろぐです。

 薄曇りだけど、雨が降りそうな様子はない。今日こそ病院へと、気を引き締めていた。


 しかしまた、障害があった。

 出かける支度をしていたはずのママが、見ると、怯えたみたいな顔でベランダのガラスから外を覗いている。

 どうしたのと聞くと、泣きそうな顔で外を指さした。

 家のすぐ前の、細い通り。それを右の方へ目で辿ると、何人かの人が固まっていた。後ろ姿の背広に、見覚えがある。昨日来た、担任の先生だ。

 どうも、近所の奥さんたちに話を聞いているらしい。

 そこまで、不登校の生徒が気になってということだろうか。それにしても、ここ一か月くらいはまったく連絡もなかったはずなのに、今になってどうしたということだろう。一学期の終わりが近づいて、成績をつけるなどのタイミングになって改めて気になってきた、とかいうことか。

 レースのカーテンを閉じて、

「怖い」

 と、ママは寝室に引っ込んでしまった。

 今日もまた、病院に行く出端をくじかれたという格好だ。いいかげん、腹が立ってくる気にもなる。

 しかし、諦めるわけにもいかない。

 少し落ち着いたところでまたママを説得しよう、と思う。



 7月17日

 ヒロシゲのぶろぐです。


 昨日から、ママはほとんど寝室から出てこなくなってしまった。食事も、あり合わせのもので僕が作って何とかなだめて食べさせている、という状態だ。

 昨夜も夕食は少し口をつけただけで、その後はあの男の名前を呼んで、静かに泣き続けていた。

 僕が、何とか連絡をつけて帰ってこさせるから、と言うと。少し生気が戻った顔になったけれど、それでも泣き続けている。

 今日こそ、無理に引っ張ってでも病院に行くべきか。

 悩みながら、もう午近くなってきているところだ。

 どうするべきか。


 今、玄関のチャイムが鳴った。

 少し遅れて、ママが出ていったようだけど。

 何か、外が騒がしくなってきている。

 書き込みは中断して、様子を見に行くことにする。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る