アンラッキー7?
珀武真由
おみくじを、何回引けば福が来る?
「さて、なにがでるかな?」
ある寺を参いると何故か、おみくじがある。
(こんな所にあるとは─……)
手が伸びた。
(可笑し
しかも心付けは幾らでもと書いてある。おかしな占い。木で出来た丸筒にお金を入れ、竹筒を振るう。
ぽとり。
穴から、白い紙が出て来た。
─凶───。
長方形に折られた紙に赤い文字が一つ。不吉な文字に冷や汗を覚え、いやいやと自分を諭した。
──自転車を漕ぎ、久々に来たとあるお寺。家から二時間強かけ山道越えて、参りに来た私になんたる仕打ち。
何故か寺にある運試しに興味沸き、勝手に引いた私だが。
それにしてはひどい。
心が折れ……?
折れる? ……いや、否いやそんなことはない。反って私の気持ちを昂ぶらせた。
(引いてやろうじゃないか! 大吉を!!)
ますますくじに火が点く私はもう止まらない。
金を入れ、また出してやったわ白い紙。
また凶───。
あのあと五回も挑んだ私はこの文字に五回、計7回も遊ばれた。
(ぐわぁああ、なして7回も引いて同じのが出るの? どういう歯車だ)
私はこの事実にげんなりした。
ここに来たのは漫画の参考資料の為。神社仏閣が何故か向かい合わせにある場所に興味を抱き、訪れた地に何とふざけたお持てなし。
(あかん、バツが悪い。しかも七は良い数字だろう? なのに何をしてるんや私は)
数週間後には、この間出した、漫画の一次選考があるというのに……。
身から出た錆という言葉が過る。
(あかん、気晴らしにもなりゃせぇへん。取材して帰ろう)
そう思い立つと早足になり、お稲荷さんを目指した。古風な寺の横には池がある。綺麗なその時季に色付く枝葉が映る水面には赤い鳥居も映える。
(何と面白い)
素直に思い、カメラを構え激写しまくると見たことある筒が。
何回目の正直。
かしゃかしゃ
……愛想も尽きたわ。
アンラッキー7? 珀武真由 @yosinari
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