第27話

「何してんだ君、早くスクラムドさんを呼んで来てくれ、君じゃこいつを、」


 倒れている人を守っている人が俺に声をかける。

恐らく俺が子供だからだろう。俺が斧を持った大型モンスターをこんな子供一人にどうもすることができないと思っているのだろう。実際に俺もそう思う。


「俺がこの場からいなくなったらこいつと闘える人はいなくなる。それじゃあなた達は……」


「違うんだよ!お前じゃ…ここにいる俺らじゃあこいつには勝てない、」


 ここで俺が逃げればここにいるほぼの人は死ぬだろう。多分この人はそれを理解しているだから、何とかして自分がリーダーが来るまで待とうとしている。

 

 それも正直厳しいだろう。

あの人のバリアは一度の攻撃でほぼ割れかけな位に弱い、恐らく魔力量が少ない。


「早く行け!ここは俺が耐え凌ぐ!」


「もう俺は誰かが死ぬのを見たくないんだ……」


 俺は一歩踏み出した。これが最適解だと思っているから俺は歳上の人に一歩も引かない。


「・・・じゃあなんか案があんのかよ…」


「俺がこいつを止めます。」


「何度言ったら分かる お前じゃあいつは」


 その時の俺は完全にモードに入っていた。


「ランさんさっきの分かれ道の所に来れる人全て来て下さい。ボスがいます。俺はここで闘います。」


「わりぃこっちもボスがいる。そっちもボスがいるって本当か?」 


 普通はポータルボスは一体しかいない、複数体いることはまず無いらしい、二体いるのはSランク以上のポータルでしか見ることはない。


「本当です。そっちもいるなら大丈夫ですこっちは任せてください。」


「すまんな…すぐに終わらせるからお前も頑張ってくれ」


「はい!」


 俺は頑張ってくれと言われて吹っ切る事ができた。

俺は今人に必要とされている。それに応えられなくて俺はこの先どうすればいいのか、


 グオォォォォ


「魔力結界バリアー」


 振り下ろされる斧を俺はいとも簡単に防ぐ。そして俺は剣を召喚し、戦闘体制に入る。

 隙のない構え、これは先輩に教わった構えだ。


一旦相手の才能を整理しよう。


 ハイオークは俊敏性はほぼないが斧の一撃は軽々人を殺せるくらいの威力がある。

 俺の魔力結界が破られることはまずないとは思うが、万が一のことを考えると魔力結界に頼るのは良くないな。自分の身体能力で攻撃は躱そう。


「よしここからはアウトプットだ」


 恐らくでかい体のせいで足元は攻撃しやすいまずは、足元から崩して、奴の機動力を0にするそうすれば、ここにいる人達は安全になる。


 「うおおおおっ」


 俺の剣がハイオークの足を貫く。

 奴は完全に機動力を失った。あとはゆっくりと魔力を込めた剣で倒していこう。


 「グオォォォォ!!!」


 片膝をついたハイオークは雄叫びを上げる。すると周りにいるオーク達が一斉に出てくる。

 約15匹程。


「きゃあああ」


 一人の女隊員がオークの攻撃を食らう。周りの人達ももうかなり限界だ。しかし俺もハイオークで手一杯で周りに気を配る余裕は無かった。すると、、


「周りのザコは俺に任せてくれ!お前はそのボスだけに集中しろ!俺たちはお前が最後の望みだ!頼む」


 さっきまでは俺の事を子供だからって信用してなかったのに、今になって信用するのかよ。

 大人なのに少し情けない。でも俺はそんなこと言ってる場合じゃねえ、俺もこいつをやらねぇと死んじまう。


「任せて下さい!こいつは俺が」


 もう一度俺は自分を信じることにした。動けない相手に俺は正面から斬りかかる。


「ギイィィン」


 ハイオークは斧で俺の魔剣を防ぎやがった。

もう剣は通用しない。そうなった時、俺は両手に持った剣を地面に捨てた。


「やっぱり頼るのは武器じゃなくて己だろうがよおぉぉ」

 

 俺は一番得意な攻撃。属性攻撃を仕掛けることにした。

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