第26話

俺とダムドがぶつかる。

俺はぶつかったことで倒れ込んでしまう。そんな俺を二人は見下す。


「なんだお前!どけ」


「……」


 俺は大きな偉そうにしてる人間を前にして俺は何も声が出ない。結局は俺は前世から何も変わっていないのか、俺はやっぱり強そうな奴には何も出来ないのか、


「困ってる人がいますよ、なんで助けないんですか?」


 俺は二人に立ち上がって立ち向かう。


「は?俺らは困ってる人を助けに行くんだぞ?それを何で止めるんだ?」


 至極真っ当な意見を言ってくる。それでも目の前の助けられる可能性のある人間を助けないのは違うと思うし、さっきの悲鳴の方にはラン達大勢の人達がもう向かっている。


 「も、もう奥には数人が向かっています。あっちよりもこの場の方が危険だと思います。」


「何俺らに向かって指図してんだよ お前がやりゃいいだろが」


 これも一部正しい意見ではあった。

「でも最初に言ったこと…」


「あ?」

 

 俺はスクラムドに睨みつけられて、引いてしまった。


「最初からそうしとけば良かったんだよ」

「お前はここで頑張ってな」


 俺の肩を叩いて奥の方に進んで行った。

俺は変わってなかった。前の奴と戦った時の俺は何だったんだ?


 「た、助けてえぇ」


 二人が見捨てた人達はモンスターを一匹も倒せずにいた

それを俺はただ見ているだけで足が動かない。


「バタン」


 一人が致命傷を喰らって倒れてしまった。ここにいる人に回復の魔術を使える人はいないようだ。

 いち早く、外に出て回復魔術を使える人に助けてもらうか、医療機関に行くしか無かったが、ポータルボスを倒さない限り、ポータルが開くことはない。

ボスさえ倒れせれば、周りのモンスターも攻撃をして来なくなる。

 

 しかし肝心のボスとやらはいまだに見当たらない。恐らく奥にいるとは思う。

 今、無線からランの声が聞こえた。


「どこにいるんだ?」

「さっきの場所」


「こっちに来てくれないか?こっちはモンスターが全て倒して安全だから来てくれ」


 ランは心配そうにしてくれている。

 俺も安全な方に逃げようとするが目の前には傷を負っている人がいる。

 申し訳なさそうに奥に行こうとする。


「ドオォォォォン」


 後ろから恐ろしい位デカい足音が聞こえてきた。

 俺は振り返る。


「嘘だろ」

「いやああ」

「ボ、ボスモンスターだ、」

「ここで死ぬのか、」


あまりのサイズのオークにボロボロの隊員は生きることを諦めていた。


「うわああ」

 「グアアァァ」


さっき倒れてもう動けない人にモンスターが、斧を振り下ろす。


 「ギイィィィン」


「くっ」


倒れている人と同じクランの人がバリアを張って守るがもうバリアは破られそうだ。

 

 圧倒的絶望な状況に俺はもう動き出していた。

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