第9話
兄さんに言われてからはずっと大人しく変なこともせず、一人の人間として生活をしていた。
もう新しい世界にもなれたもんだ。こっちの世界の方が前の世界よりも平和だ。
なにせ、強制労働もないし、食べ物も朝昼夜の3食もしっかりと作ってくれていて、(味は兄さんが作ってくれているから普通)
そして、、、今日は俺の6歳の誕生日!
そして、、、、兄さんに待てと言われた一年と三日が経つ日!
俺は朝からテンションがめちゃくちゃ高かった。
そわそわしっぱなしだ。
しかし、いつになっても兄さんが俺に声を変える事が無かった。
いつもと何も変わらない生活で
「兄さんは去年行った事忘れているのかな?」
そんな事はないとは思ってはいるけれど、やはり不安だ。
何も言われる事なく夜ご飯になってしまった。
「よし、出来たぞ、夜ご飯だぞ。」
俺を呼んで来たので、「分かった今行く」と自分の部屋から急いで階段を降りた。
すぐに降りたのに兄さんの姿がなかった?
「どこにいるの?」
反応は無い。
「ハッピバースデー♪〜」
元気に歌う兄さんの声が聞こえた。
「誕生日プレゼントだ」
渡されたのは、少し汚れている、小さな箱。
開けて見ると中には青く輝く小さな指輪だった。
「これは一年前に母さんが4歳の誕生日に渡そうとしていた指輪だ。すげー綺麗だな」
「大きい、」
「今は入らなくても良いんだ。その指輪はお前が五年後、十年後に大きくなって、その指輪に相応しい人間になれば良いんだ。」
「うん!頑張るよ俺は兄さん見たいな強くてかっこいい人間になる。」
俺は兄さんに約束した事を思い出させるように言った。
「よし、じゃあ明日朝7時前に俺の部屋に来い。お前のこれからの生活がどうなっても良いと言う覚悟があるならば部屋に入ってこい」
「大丈夫。心の準備なら一年前から出来てるよ」
「よしじゃあ、明日の為にも今日はいっぱい食べてくれ」
その後の事はよく覚えていなかった。兄さんは俺に何か言っていたのだろうが、俺は明日が楽しみで仕方なくて、頭の中はそれでいっぱいだった。
「ご馳走様。 今日の ご飯は美味しかったよ」
俺は食べ終わって皿を台所に置いて階段を登って行った。
明日が楽しみで楽しみで今日は早くに寝た。
???「遂に明日からあいつも」
「誰かいる?」
リューニスは近くに誰かがいる気配がしたが誰もいなかった。
「気のせいか」
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