第3話 運命の出会い

 お風呂の後、私達はこの集落に泊まる事になった。村人の夜は危険との助言を受けたからだ。


 そして、夜が更けていくと……。


 プラハさんの荷物の中からバハムートの入った琥珀が光を放つ。暗い部屋にワインレッドの光が満たされる。私にバハムートの放つ光に当たると心がザワザワする。胸が熱い、この小さなバハムートでも大きな力を感じた。


「バハムートがサナに共鳴している」


 プラハさんが呟くと何やら術式を走らせる。すると、ワインレッドの光は収まっていく。


「これは運命の出会い、サナさんはバハムートに選ばれたのです」


 真剣なプラハさんが語る。私は息を呑むとバハムートに選ばれた事を実感して受け入れる。


「それで、フェアリーの国の聖剣に選ばれた理由が説明できる」


 ウエルが納得した様子で声をかける。私はフェアリーソードを抜くと、剣はいつも以上に輝いていた。


 フェアリーソードをしまうと昔の事を思い出す。私の育ちは魔導少女としてバッハ帝国の秘密の研究所で生まれ。兵器として育てられたのだ。


 ある日、警備のスキをつき研究所を抜け出すと。追ってから、森の一軒家にからかくまってもらった。そこに住む住人は賞金稼ぎのギルトの幹部で、私の戦闘力を見込み賞金稼ぎとして育ててくれた。


 それからは旅の賞金稼ぎとして生きてきた。そして、今、魔導少女としてバハムートに認められた。簡単に言えば、テクノロジーで生まれた、体の中にある魔導の力がバハムートと共鳴したのだ。


 私はウエルとプラハの二人に寝ようと提案する。やはり、私は布団の中に入るが眠れない。バハムートのワインレットの光が忘れられないでいた。


 運命の出会いか……。


 そんな言葉が残る夜中の事であった。

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