第59話 『美桜の心模様』
あーあー。せーかくごしゅじんさま帰って来たのに、ご飯食べたら凛ちゃんのところに言ってしまった。
寂しいなー。それにちょっとだけ、……イヤ、だなあ。
これが前にごしゅじんさまが言ってた“嫉妬” って気持ちなのかな。
でも、凛ちゃんはごしゅじんさまの妹なんだし、お手伝いに行くのは分かるし。
…‥でも、凛ちゃんはごしゅじんさまの事好きなのかな。
前にサンがしてたみたいにちゅーとか……してたら、いや……だなあ……。
でもでもでも! ごしゅじんさまは美桜の“かれし” だし!!
美桜のこーただって言ってくれたし!!
あーもやもやする……。こんなこと考える美桜は悪い子なのかな。
……んー! 考えてたらもやもやしちゃうし、今のうちにシャワー浴びちゃおうかな!! そしたらごしゅじんさま帰ってきた時に少しでも一緒にいられるし。
うんうん、そうしよ。
……
…………
あーシャワー気持ちいい。あんまり変なこと考えるの良くないよね!!
うんうん、そーだそーだ。
ごしゅじんさまは、美桜のごしゅじんさまだもん。
ん、あれ? ごしゅじんさま?
違う違う、浩太って呼んでって言われたのに!
ついついまだごしゅじんさまって呼びそうになっちゃうなー。
なんか……恥ずかしいんだもん。
ちょっと練習しようかな、
「こー、た。こーた、こー、だ。ちがう、こーだじゃなくて、こーた」
こーた、こーた、こーた。うんうん、いい感じ。
今日はこーた待たせてるわけじゃないし、トリートメント念入りにしよかな。
いい匂いー。この匂いすきー。
もうそろそろこーた帰ってくるかな、早く会いたいな。よし、シャワー完了!
今日の美桜はいつもよりピカピカだ!
タオルタオル、ごしゅじんさままだかなー。
あ、違う、ごしゅじんさまじゃなくてー
「こーた、こーた、こーた」
うんうん、言えてる言えてる。
ちょっと呼ぶ練習もしようかな。
「こーた。こーた、こーたあー!」
——ガチャ
「美桜? どした?」
「え!?」
「わ、ご、ごめん!」
う、うそ、ごしゅじんさま帰ってきてたんだ。
もしかして今の……聞かれた!?
う、わー、恥ずかしいよおおおお。
それに、美桜……今、はだか。
……前はそんなことなかったのに、今は……恥ずかしい。
一気に顔が熱くなってきた。
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