第3話 肉体的?!

白いベンツで、訪問先を尋ねる麗子。

なのは、生活が苦しい客だった。

その家には壊れたインターホンが申しわけ程度に付いていた。



こんこんっ!



麗子は…軽くノックすると、

中からは精魂尽き果てた男性が、

ぬぼ〜っと出てきた。



麗子は…差別しない。

笑顔で挨拶をする。

『こんにちは!』



『あ、、、は、はい。』



男性は…麗子を一目見て恋をしてしまったのだ。


そんな視線もお構い無しに麗子は

汚い部屋へと足を踏み入れる。




男性が粗茶を用意するが

麗子は…あえて口に付けた。



『さぁ、始めましょうか!佐藤さん。』


『……』



男性は、前日に麗子に電話で言われた通りにかんぽ生命を解約してきたのだ。



麗子は……金持ちとか貧乏とか

客には求めてなかった。



男性は、解約返戻金で麗子から

契約を結ぶために、

契約者貸付では無く、解約をしてしまったのだ。



麗子的には、契約者貸付でも

解約返戻金でも、契約書さえ交わせれば

どちらでも良かった。



都合が良い事に、解約返戻金が50万ある。



麗子の目が光る……



『佐藤さんに合うような、こちらのプランをお持ちしましたよ!』


佐藤と言う男は……

書類に目を通す。一言だけ



『保険料は?』

と……ボソッと話すと麗子は続けた。



『貯蓄保険、掛け捨てと……後は個人年金保険ですね、、、合計で月々35000円になりますが、年払いだと割引適応なので41万ですね?』



男は麗子から漂う色気と…香水にウットリしながらも


三件の年払い契約書にサインして

印鑑を押した……




麗子が、『ご契約、ありがとうございます』


と契約書をしまうと男は…麗子の手を握ってきた。



男は……

『契約したんだから、良いだろ?』と話してきたが、麗子は切り返す。



『あら?前の担当の方と?』


男は、それでも食い下がる。



『あんたはどうなんだ!!』




『あいにくですが……ワタクシ…仕事が。ふふふ。機会がありましたらよろしく❤』



麗子は…ウインクを男性にした。




男は…麗子のとも知らずに。




麗子との熱い夜を考えながら、

1人で処理をする日々へと成り果てた。



契約を三件取った麗子は、さらにターゲットを探す。





適当な会社を見付けて

飛び込み営業を仕掛けるが、


そこの会社は既に違う生保レディが訪問していた。



麗子は…舌舐りをしながらも、




(ふふふ。こうでなくちゃね!)

と小悪魔的な笑みを浮かべていたのだった。





【3話終わり】



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