第4話 side紗愛

SHRが始まりました。

助かりました。

「出欠取るぞ」

「相田」

「はい」

「秋月」

「「はい」」

私と美桜の声が揃う。

あ、出欠もしかしたらまだ旧姓だったのかも・・・。

「葉月は、秋月に姓が変わっていたな。

ふむ、そうすると」

教諭は、出欠簿に手が気をする。

「秋月 紗愛」

「はい」

「秋月 美桜」

「はい」

と修正して私たちの出欠を取った。

これからは、フルネームでの出欠になるようです。

それから、粛々と点呼が続く。

ブーブーとスマホが鳴るのに気付いた。

ディスプレイを見てみると誠人さんからメッセージが届いていた。

誠人「洗濯:洗濯済み・乾燥機、洗い物:乾燥機、風呂掃除済み」

業務連絡?誠人さんらしいけど。

紗愛「誠人さん、ありがとうございます」

紗愛「帰ったらあとやっときますね」

誠人「じゃあ、行ってきます」

紗愛「いってらっしゃい」

えへへ、新婚さんって感じがします。

「いってきます」と「おかえりなさい」はしたいですよね。

紗愛「誠人さん、お仕事頑張ってください(*´ε`*)チュッチュ」

キスしときましょう・・・返してくれるでしょうか?

誠人「紗愛も頑張って」

紗愛「はぁい、頑張ります」

誠人さんは、してくれませんでした。

残念です。

でも、負けません。

私が、百面相している間にSHRは終わっていました。

いつ、終わったのでしょう。

「もぅ、お姉ちゃん。

兄さんとメッセやり取りしてたでしょ」

美桜が、隣に来ていました。

びっくりしました。

「わかります?」

「そんなにニコニコしてたらわかるよ。

もう、幸せオーラ全開だよ。

みんな声かけれないくらいだから」

私は、周りを見渡します。

男子も女子も、みんな赤い顔してました。

「わかったでしょ。

凄い破壊力だから気を付けた方がいいよ。

兄さんに、嫉妬させたいなら止めないけど」

う、それは魅力的だけど。

でも、注目はあんまりされたくないなぁ。

「あ、嫉妬はされたいんだね。

じゃあ、兄さんにはそこだけ伝えとくね」

そう言い残すと美桜は行ってしまった。

スマホをいじっている。

あれは、きっと誠人さんに送ってる気がする。

でも、嫉妬はされたいなぁ。

甘えてくれそうな気がする。

私は、授業が始まるまで悶々としていました。

誠人さんが、甘えてくれないかなぁ。

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