TSしたら異能系の学園に転入する羽目になりました。
邑真津永世
第壱幕 学園転入篇
第壱節 下克上
第壱話 俺は……屠殺ぅ?!
なんて事のない日常だった。
俺は社会に出て泥沼のように毎日上司に媚びへつらう毎日。
上司は俺に強く当たり、部下や同僚までもが俺を馬鹿にした。
クソのような毎日に終止符を打ったのは、通り魔の包丁だった。
こちらを見据え、狂ったように笑いながら俺にに刃物を向ける。
もう死んでもいいとさえ思っていた命だ。
こんな事なら早めに俺の鞘に収まっている剣を使っておけばと、少しは後悔しているが、それぐらいしか後悔はないから、死んですらいいと思って両手を広げて刺される。
とんでもない苦痛を腹に受けて、俺はその場にうずくまる。
え、嘘でしょ……?こんなに痛いものなんだ。
これで……転生したら俺は最高に強くなってかっこよくなって、人生勝ち組なんだけどなぁ。
あぁ、もう意識がぼうっとして、保つのも難しくなってくる。
あたりで救急車の音や、ざわめく人々の群れ。あたりの住人が通報したらしい。
こんなに落ち着いているってことは、とうとう神様と対面する時が来たな……あばよ、日本の現代社会。これでいつもの日常とはおさらばだ。
「ここは、どこだ?」
何てテンプレの言葉を吐きながら、辺りを見渡す。
…………あれ?あれれ?なんか俺の声いつもと違くね?めちゃくちゃ女の子の声するんだけど、今の俺の声じゃないよね?
いやいや違うよね?俺普通のブラック企業勤めの社会人だよ?そんな奴がいきなり美少女的声のするなんてことはあり得ないはずだ…………。クールになれ、俺。マイサンは……っと。
…………いやいやいやいや落ち着けって俺。こんなに熱くっていうかマイサンの部分がマイドーターになっているなんてことはないはずだ。
そう、胸部装甲!男ならば太っていなければやわらかいなんてことはあるが、いつもギリギリの生活をしていた俺の胸部装甲はガリガリでまな板……包丁を使えば野菜ぐらい切れるくらいにはまな板な俺の胸部装甲!
………………いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや落ち着け俺。こんなにふくよかな胸部装甲は触ったこともない、感じたこともない柔らかさを誇る…………Bカップぐらい…………?いや、俺触ったことないからわかんないけど、でも女性の中では小さい方だと思うが。
ははは、通り魔に刺されて死んだかのように思えたが、実は女になってました……的な?
これ、本当に現代日本なのか?
こんな現象TVでも見たことないって……まさか秘匿されていて、実はこんな現象は起き得るものなのか?
それこそまさかだろう。現代日本にそんな現象が起きるはずがない。
起きてたまるもんですか!そんなことに意を唱えたい!
「先生!患者様が起きました!すぐに先生をお呼びして!」
慌ただしくなる病院内、それは戦場の始まりであるかのように、周囲に動揺が走っているのは確かだろう。
俺、こんなとこで目覚めちゃって、大丈夫だった……?
もっと眠ってたほうがよかった……?
わかんねぇ!!
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