第25悪魔(ショタ)は下準備中(ようしゃねえ)

うーん、愚王のざまぁまでいけなかった(;・ω・)


 

「長兄、僕が来るまでの事を教えてください。教えなかったら何か嫌な事をしますよ。さあっ」

「何をするのかお前だともの凄く嫌だが、それいいのか弟」


 グリエダさんがショタ嗅ぎでメンタル回復中なので、会場で集団で集まっているところにアリシアさんを抱きしめている長兄がいたからちょっと説明させるために移動してもらった。

 はっはっはっ、まさか視界がブレたら移動していたとは俺の婚約者は縮地でも習得したのですか?


 今の俺はグリエダさんに通常装備(お山の下で前向いて抱っこ)されている状態だ。

 アリシアさんだけでなくセイレム公爵に崩れ落ちていたオッサン二人がショタを見てほっこりしているからいいんですよ長兄。


 ふむふむ、長兄の話はいつもまとまっていてわかりやすい。まとまっていない連中が愚王派の連中で奥にいるバナナを見せつけられてもらえないで騒ぐ猿みたいなのが愚王達というのはわかった。

 そしてグリエダさんとアリシアさんに傷をつけたのも。

 第一王子の側近の慰み者扱いにされたのがグリエダさんはかなりショックだったようだ。貴族の子女で不名誉な婚姻が嘘でも残るのは嫌だったらしい。

 アリシアさんは長兄が慰めていたから少しはマシなようだけど、グリエダさんを一人にしてしまったのは俺の落ち度だ。


 世の中上手くいかないものである。

 まあ取り返すけど。

 宰相?騎士団長?降爵した公爵?プッ。まあいろいろあったみたいだけど別にどうでもいいよ。

 ただただ俺は女の子をモノ扱いしたのは許せないだけ、あとはついでで国の維持なんて大人が頑張ってくださいな。


 あ~そこの剣と槍持っているお爺ちゃん達よ。王妃様をこちらに連れてきてくれないかな?扉を塞いで貴族たちは逃げれないようにしてさ。

 え、グリエダさんとこの人なの?

 ごつい爺さん達が弱々そうな貴族達を守っていると思ったら辺境伯の家臣は年寄りばかり呼んだのねあの愚王。

 魔力使いなら年を取っても強い人は強いんだけどな。

 うちのロンブル翁がいい例だ。

 あのジジイいったい幾つなんだろうか?外見が中年で止まっているから予想できないんだよ。

 聞いたらひ♡み♡つ♡とかぬかしたから屋敷を抜け出して首元を赤くうっ血させていたことを純粋な疑問口調で侍女長に質問してやった。正座って慣れてないと地獄だよね。


 ジジイの生態は横に置いといて、女の子二人分・・・プラス王妃様の分も少し入れて愚王達には地獄を味わってもらおうかな。

 貴族院をないがしろにできるほどの権力を持っていると勘違いしているけど、支持してくれている貴族がいないと王家は権力権威がないとわかっているのかね。


 ん~ふふん♪

 後頭部がやわやわだから昔に覚えたので良いものを思い出した。

 前公爵を合法的に地獄送りにする時に知ったのだけど現実的に無理そうだったのがいくつかあったの。

 その中に正式に王家を潰せる方法があるのよ。

 反逆、造反、下剋上という後で討たれるような不名誉はつかない方法がエルセレウム王国にはね。

 初期の頃の上位貴族が作ったんじゃないかなと思うそれは、派閥争いしている今では無理で国の終わりには自分達で終わらせることが出来るシステム。

 これを作った奴はよほど他国から国を滅ぼされるのが嫌だったんだろうな。あとたぶん俺と同じ転生者。


「切れぇっ!余に逆らう者は全部切れぇいっ!」

「お爺ちゃん達は転がっている武器拾って逃げたり逆らう奴ら遠慮なく殺し・・・半日ぐらいで死ぬぐらいで生かせます?」

「姫様の男は酷い事を言うのう」

「私達に怖がらないで命令できるのは凄いですよ」

「「「姫は良い男を貰った」」」


 叫ぶ猿・・・は猿に失礼だ。やはり愚王だな、叫ぶ愚王は最後の手前ぐらいで処理するので今は無視無視。

 アレスト家のお爺ちゃん達は倒れている鎧姿の連中から武器を巻き上げていく。

 なぜ一人腕がグニャグニャで気絶している若い男をみんな蹴るの?

 蹴られて起きては蹴られて気絶を繰り返しているけど・・・ああ、元騎士団長の息子かぁ。

 グリエダさんの傷心の原因の一つだな。

 後で地獄に行ってもらおうと考えてたけどお爺ちゃん達の死体蹴りで死にそうだ。まあ生きていたらのお楽しみということで。


「さて長兄、今から女の子二人の名誉を回復させて忘れさせることをするので代理のピアスを貸してください」

「?何をするつもりだ」


 第一王子の婚約破棄の時に俺が長兄から預かっていた。ただの代行ではなく当主権限を持つことになるピアスを借り受ける。


 不審な顔をしている長兄だけどピアスを外していた。

 いいの?言わないけど自分達で処理しないのかな。ああグリエダさんに一任したから迷っているのね。

 駄目だなぁ大人達、グリエダさんは最強だけど心はまだ経験が少ない女の子なんだよ。いくら本人や俺が任してくれと言ってもフォローはしないと。

 これは味方の貴族全員に事なかれを修正する講習会をしてあげようかな?


「あとセイレム公爵もください。派閥の皆さんも代行のピアスを、それに息子達の教育に大失敗のお二人も渡してくれますよね」


 おや、どうして覇王様に装備されているショタを見て皆さん後ずさるんです?

 ほらっ!ミニ磔みたいで可愛いよっ!

 まあこれからすることは王国始まって以来の暴挙だけど。愚王が先に愚挙をしたからいいよね。


 長兄とセイレム公爵と教育失敗親ズのピアスだけ受け取り後は持てないのでついて来ていたマトモハリー嬢のエプロンを広げてもらってそこにピアスを乗せてもらう。


「君は何をする気だ・・・」


 失敗親ズの筋肉質じゃないから元宰相かな?が聞いてきた。

 ん~そりゃ気になるよね。


「貴族院の貴族法214条の行使ですかね」

「っ!?それはっ!」


 さすが国を采配できる地位まで上り詰めた人だけあって記憶しているみたい。そこの長兄とオッサンたち首を傾げるな、男がしても可愛くないんだよ。俺みたいな美ショタなら別だけどねっ!


「無理だ・・・数が揃わない」


 元宰相さんの発言に何人かの貴族が俺の言葉の意味に気付き、それが不可能だと首を横に振った。


「貴族法15条、王が呼集した場合は限定的に貴族の最大人数はその場の人数に固定されるでしたっけ」


 文法までは覚えていないけど戦時で即応即決する時の法が今回俺がやる方法を助けてくれる。

 まあ覇王様の威を借るショタだからできることなんだけどね!

 学生の頃火災報知器のボタンを押したい衝動があったけど、今回のは同じくらい魅力的なボタンだ。

 そして実行できるからドキドキだね。


 うんうん、法律に詳しい人は俺のやっていることに顔が引きつっているよ。

 覚えておいてね組み合わせ次第で抜け道なんていくらでもできるの。


「あなたはいったい何をするつもりなの・・・」

「ん?王妃様は自分の血に王になってもらいたいんでしょう?お手伝いしますけど、王妃様も苦労してくださいね」


 困惑気味でいる王妃様に笑顔を向ける。

 どうしてヒッと怯えるんですか。

 まったく皆、美貌のショタに失礼ですよ。


 みんな素直に代行ピアスを渡してくれているけど大丈夫?ショタが悪いことに使うと思わないのかな。まあ公爵二家に元の人達という地位のある人が動けば下は追従するしかないか。

 これで会場の三分の一の貴族の権限は手に入れた。


「グリエダさんそろそろ戻ってもらえませんか」


 これからは覇王様に再起動してもらわないと困るのです。

 後の三分の二は愚王に付き従うお馬鹿な貴族ちのうなしなので威圧が必要なのですよ。


「・・・いやだ」


 おう、愚王の精神攻撃はなかなかのものだったようだ。

 しょうがないなショタは装備したままでいいですから移動はお願いしますね。


「剣と槍のお爺ちゃん達、グリエダさんの両隣にいてくれませんか」


 最初から武器持ちの狐目の剣使いとずんぐり狸体形の槍使いのお爺ちゃん二人についてもらう。


「さてあなた達は愚王に付き従う敵でいいんですよね?」

「「「・・・」」」


 ん~愚王派の連中に聞いてみても誰も答えてくれないな。


「やはり敵対していては何も話すことはないんですね」


 ショタは悲しいです。悲しいと、つい過剰なことをしたくなるのがショタなんですよ。


「ではお爺ちゃん達、全員の足を折っても切ってもいいですのでピアスを移譲すると言わせてもらえませんか」

「笑顔でお願いすることではないと思うのですが」

「アレスト家には合うが将来が怖いのぅ」


 ぶつくさ言いつつも前に出てくれるお爺ちゃんズ。

 そしたら悲鳴を上げてみんなピアスを渡してくれた。

 うんうん、協力的になってくれて嬉しいよ。マトモハリー嬢ー全員の貰っておいてね。渡していない奴がいるか三家の誰かに調べてもらっていいから。


「渡さなかったら握手してやる・・・」


 グリエダさんが握手すると言ったら渡す勢いが増したぞ。何したの覇王様?

 残るは現宰相と現騎士団長の二人か。

 会場にいる貴族全員の代行ピアスを持たないと俺のやりたいことはできない。

 ん~どうやってピアスを素直おどしてに渡してもらえるかな。


 あっ、第一王子とその側近には尊い犠牲どうぐになってもらおうか。


「長兄、セイレム公爵少しやり返したくはありませんか?」


 ピアスを持っていない奴はストレス解消に使わないと!

 元日本人なので全部クズを食べないじごくにおとさないと落ち着かないの。


ーーーーーーーー

悪魔的ショタ「下準備はちゃんとしないとね♪」

胃穴空き兄「弟がいたほうが地獄だ・・・」

味方貴族「あれは本当に味方?味方なの!?」

辺境貴族「おもしれぇ坊主だぜっヒャッハー!」


う~む、まさか代行ピアスがこんなところで役に立つとはビックリ 中の筆者です(゜_゜;)


セルフィルは父親(前公爵)を地獄に落とす方法を調べているときに、その中に王も正統性を持って追い落とせる仕組みがあるのに気がつきました。

まあ国初期に王の横暴を阻止するために作られたのを、法の穴とグリエダという暴力で通すつもりのショタですf(^^;

いきなり不思議パワーには目覚めないけど悪魔の方法で愚王達をしとめます。

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