18 旅の後

 ルクスシエルはエリテン王国の首都で、人口はおよそ800万人。シャローラ女王が住む王宮を中心に、約1500平方キロの範囲に市街地が広がっている。

 政治、経済、文化の中心地として、エリテン王国はもとより、周辺諸国からも多くの人が訪れる大都市だ。近年は、タートル鉄道の乗り入れも始まり、その都市規模は更に大きくなっている。

 なかでも文化の発展には特に力を入れており、市内には多数の博物館や美術館が立ち並び、その大半が無料で入館できる。また“世界の書庫”とも評される“大ルクスシエル図書館”は一日では回りきれないほどの蔵書数を誇る。


 ハルはこのような文化的な街が大好きだ。いくらでも滞在していたい。

 しかし、乗務間合いという時間は限られている。乗務先も多く、またここに来られる保証はない。だが、広く多くの街を見れることは間違いない。

 あらゆる街に行き、そこの雰囲気を楽しむ。そして、いつか行ったあの街を思い返し、今後いく街を思い浮かべる。自分は僅かな時間だけだけど、そこには様々な人が生活をしている。

 本当に多くの人の生活に関われる。こんな仕事はこれしかない。その使命感を胸にこれからも励むのだ。

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