第2話 練習しよう!
ホームルームが終わって、野球部のグラウンドに来たが、ジャージ姿というのは違和感がある。
まだユニフォームを持っていない1年生は、ジャージでの参加だから仕方ないのだか。
あと、さっきのホームルームで初めて知ったが、この学校での部活動は午後5時までらしい。
進学校なので、時間を制限しているとのこと。
主人公の行動を見る限り、そんなに頭が良かったように感じないが。
「これからノックを始めるから、参加したい奴は集まってくれ。打撃練習したい奴は、いつもどおり脇で始めててくれ。」
主将の
ゲームでは、練習メニューを自分で決められたが、こういう緩い感じだったんだな。
良く考えてみると、野球部のような集団競技で自分が練習メニューを選べるって変だしな。
「俺は素振りするけど、畠は何をするんだ?」
新田が声をかけてくる。
グラウンドは広く、サッカー部と分けあっても、それぞれ試合ができるほどの規模がある。
一方で、備品は揃っているとはとても言えず、打撃練習は素振りしかない。
野手なら、守備はノック、走塁は走塁練習か盗塁練習のほか、筋トレ、ストレッチ。投手はこれらに加えて、投球練習、ベース当て(コントロール練習)、変化球練習、ランニングといった具合だ。
選手の能力を上げる方法は、この練習がメインで、他には試合での活躍とイベントの3つしかない。
そうなると、頑張って練習するしかない、と思うだろうが、この時期はそうでもない。
備品が揃っていないので、練習の効率が良くないからだ。
じゃあどうするかと言うと、試合に出て能力を上げつつ、備品を整えるのが最優先になる。
備品を揃えるには、毎年4月と10月に開催される予算会議で、予算を取ってくる必要がある。
これは、校内の全ての部活動の主将らが集まり、話し合いで決める会議で、ようするに部費の奪い合いだ。
この時、強豪の部だと発言力が強くなるので、一定程度、公式戦に勝つ必要がある。
特に、毎年都内でベスト4に入るサッカー部と都内でも珍しく人気のある弓道部に予算を渡さないことか重要になる。
ただ、主人公が出場しない試合は、必ず負ける。試合の詳細は省略され、負けたことだけが説明される。
なので、とにかく試合に出場するしかない。
新田はもちろん、他のキャラより強い自分もだ。
だが、それには大きな問題がある。
それは、多少能力が高くても、1年生は、夏は試合に出られないのだ。
スタメンを決めるのは、素人監督の藤堂先生ではなく、主将だ。
つまり、金沢主将からの評価が高くないといけないのだが、練習をいくら頑張ったところで試合に出られるレベルにはならない。
金沢主将に媚を売ったところで、チームメイトとの仲が悪いと主将の評価が上がらない仕様にもなっている。
ただ、これを逆手に取った方法が1つだけある。
「いや、素振りなんか、いくらしたって試合に出られないよ。良い方法があるから、違うことをしよう。」
「違う方法って、何をするんだ?」
「とりあえず、ついてきてよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます