第3話犯罪歴を自慢するバカ

コイツとは8年前、精神科の閉鎖病棟に入院している時に仲良くなった。

よく飲んだりした。左の小指がない人間。

そう、コイツは昔は組織にいた人間らしい。酒を飲めば必ず自分の武勇伝を話していていた。実は人も殺したことがあると、威張っていて、組も作っていたらしい。

名古屋駅で、肩がぶつかった人とケンカになり、警察官10人が自分を取り押さえたと笑っていた。

しかも、「オレはIQ130ある」と、いつも言っていた。

毎回こうだから、飲むのがつまらない。最後は距離を置いた。

20も離れた女と結婚をすると、僕とせんちゃに婚姻届の承認欄に名前を書かされたが、2ヶ月で離婚した。


ある日、母と過ごしていたら、このバカが現れた。

それはそれは、饒舌に犯罪歴を1から10まで説明し、懲役12年を自慢していた。それだけでも、母と僕は頭にきていたのに、「オレは中卒だが、大学までいったお前よりオレの方が頭がいい。お前はバカはなんだよ!じゃ、オレと勝負するか?数学か?法律か?」

僕は頭にきたので、

「5の0乗はなんですか?」

と、質問すると、

「ぺんと紙がねぇから、解けねぇ」

と、バカであることを露呈させた。

母はイヤな顔をしていた。

「お母さん、実は僕は殺人も経験しておりまして云々」


コイツケンカには負けないと言いながら、夜駅で酔っぱらいに絡まれて、顔面を殴られメガネを壊し交番に逃げたり、客引きの男にサービスが違うと絡んだら、身体を蹴られて肋骨を骨折させられた。

弱い、弱すぎる。本当にケンカ強かったのかね?

散々僕をバカにして、犯罪、懲役自慢をして帰っていった。

母は「頭が狂ってる。犯罪を威張って自慢するなんて」と。


そして、翌日僕にお金を借りにきた。前日あんだけ罵倒した相手に。

僕は手切れ金として、5000円貸してやった。

週末には返すと言っていたがトンズラした。

もう、2年も連絡を取っていない。着信拒否してある。

昔の武勇伝を話したり、懲役を自慢したりするヤツは信用しない方が良い。

ここでまた1つ勉強した。

クズがっっ!


敬具

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