6.あなたは誰ですか?

謎のスーツの男は小雨の中、免許証を手に取って「もうすぐで青から金色に変わる」と呟いた。


(誠の家・朝)

雨が止んだ朝、家の外では小鳥が枝に乗って木の葉から水滴が落ちてくる朝に誠の部屋では目覚まし時計が鳴った。

誠は目覚まし時計のスイッチを押してもう一度、布団に潜り込んでから起きたのでした。

誠「おはよ〜」

母「おはよう、ご飯の支度ができたわよ、お味噌汁とご飯は自分でよそって」

誠は手で口元を抑えながらあくびを軽くして「わかりましゅた」と言ってトイレに入った。

誠は家を出て「いってきまーす」

母は「行ってらっしゃい」と言うと道端に落ちていたペットボトル見つけたので誠は「誰だ?街を汚したやつは?お前だけの街じゃねぇぞ」と言ってペットボトルを拾って近くの自販機の横にあったゴミ箱に捨てたのでした。

誠は歩きながら内心「那月ちゃん今は何してるのかな?やっぱり俺のことなんて興味無いのかな?」と内心では不安になりながら歩いていると南がいつも通り横に来た。

南は陽気な感じで「おはよう」と言うと、誠は少し間を置いて「おはよう、なんだか元気だな?」と挨拶がてら聞くと南は嬉しそうに「えっ?わかる?」と話したそうにしていた。

誠は少し引き気味で「顔を見たらわかる」と言うと南は「実はさ、好きなアーティストの握手会の応募の抽選に選ばれたんだ!凄いでしょ!」

誠「へぇ〜それは良かったですな」と目を細め口元はにやけながら言うと南は「全く無関心なんだから」と言った。

誠「いや?俺もそのアーティストがどんな人か気になってな、教えてくれないか?」

南はスマホを出して誠に見せた。

南「これ、テレビで見ない?」

誠はスマホを見ると「あなたは誰ですか?」と本音を言うと南は少し悲しげに「えぇ…割と有名なんだけどな…意外とニュースを見てそうだったけど…」

誠は慌てて「ごめん、そんな悲しまなくても…」

南は「うんうん、平気平気、こういうのは慣れてるし」

誠の内心「いや、慣れてるんかい」

誠は「まぁ、俺もお前とは趣味じゃなくて元は近所付き合いでしか無いしな…」と手で頭を軽くかいた。

南「趣味友では無いもんね〜、なんだろう趣味ってスポーツも含まれたりするんだよね」

誠「まぁそうだね、だから趣味じゃなくても価値観があったり一緒にいて落ち着いたり楽しめる関係性だから友達として成り立ってるんだよね?」

誠は横に目を逸らしながら指で頬っぺを軽く触りながら「そうやな〜、俺たち近所付き合い以外で意気投合してるタイミングって意外と少ないしな」

南「そうね、私も女友達ぐらいは作っても良いんだろうけどイマイチ話しかけるのが苦手というか…」

誠「俺なんて話しかけるよりも話しかけられる方が緊張するんだぜ?」

南「いや、私はその逆…」


(那月・朝の学校の図書室)

那月は教室がいつも嫌いなので図書室でいつも小説を読んでいた。

手に取っていたのは「新島無限重さくらんぼ」と言う小説。

読んでいるとA組の那月と同じ学級委員の加藤が入ってきて「おはよう」と言うと那月は「おはよう」と返すと加藤は遠くの席に座った。

那月は本にしおりをさして図書室を出るとそこには誠が丁度、南と歩いてるタイミングで出くわして那月はびっくりして誠の目を見て、誠も那月の目を見て那月は「ご、ごめんなさい」と言って去ると誠は何故か照れた顔で心臓がバクバクとなっていて南は誠の顔を見て「どうしたの?なんか具合でも悪い?」と聞くと誠は「あっいや、なんでもないんだ…とりあえず俺、ようじヲ思い出したわっ…」とうまく発言できない状態で向かっていくと軽くコケながら向かって行くのを南が見ると「大丈夫か?」とボソッと言った。


(学校の職員室・2限目)

幸太郎は職員室でパソコンをいじりながら宿題の丸つけをしていた。

幸太郎はマグカップを手に取りパソコンの画面を見ながらコーヒーを1口飲むと「あちっ」と言って舌を軽く出して窓を開けるが窓の外も暑かった為、幸太郎は「やっぱり閉めよう」と言ってすぐさま閉じた。


(昼の放課・美術室)

那月は美術室を見渡していると1つの絵が目に留まり絵を手に取った。

那月「こんなに綺麗な絵は初めて…」と言って絵の裏に書いてある名前を見ると道明寺誠と書いてあった。

那月は名前を見て疑いながら「この絵…男が描いたの?それにしてはなんて繊細で器用な…」と言っていると誰かの声が聞こえたので絵を元の場所に置いて那月は隠れるとクマのマークがついた筆箱が那月には薄らと見えたので女の人が入ってきたと思っていた。

悟「いや〜それにしても壊したのが俺だなんてなかなかいえねぇよな、まぁ無事に終わって良かった良かった」

那月はそれを聞いて「なんの事?」と怖がりながら去っていったのを見計らい廊下も確認してから那月は「あの男、壊したって言ったわよね…一体誰の作品を?」と思いながら那月は職員室に向かおうとした。

だが途中の廊下で那月は内心「いや、ここで先生に報告したって犯人の名前が分からないんじゃ言っても真っ先に私が疑われるだけだわ…ここは冷静に犯人が誰かわかるまで時間に身を委ねるのが鮮血ね」と思いながら下に向いていた目を上に向けて教室に戻った。

その裏で悟は密かに那月が歩いていくのを覗きながら見ていた。

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