4.信用得るには時間がかかる。

(交番前・昼)

謎のスーツの男は交番に貼り付けてあった落し物が自分の無くした封筒と一致し、交番の前に立った男は交番のドアを開けた。

警察官「どうかされましたか?」

スーツの男は目を開きながら「落し物を探していまして…」と言うと警察官は「どんな物を落とされたんです? 出来れば場所と時間帯も覚えていれば教えて貰えますか?」

スーツの男は「えっと2日前に茶封筒を無くしてしまって…」

警察官は「えっとちょっと待ってくださいね、奥に置いてあるかもしれないので」と言って落し物の保管品を取り出すと警察官は「茶封筒が丁度2日前にお年寄り夫婦に届けられてますね」と言うとスーツの男はハンカチで額の汗を拭きながら「そうでしたか、それは助かりました」と言って苦笑いをした。


(美術館の駐車場・2時)

先生は口元に手を当ててみんなに呼びかけた「注目、帰る前に一つだけ悲しいことがありました」と静かな雰囲気でみんなは先生の話を聞いた。

先生は「館内でポイ捨てした生徒がいたそうで、先生達に館内の役員の人に指摘されました、このせいで私たちの学校のイメージはポイ捨てする子がいる学校と思われます…」などと役15分ほど先生が生徒に長らくあったことを報告されたのでした。

バスに乗って帰る道中で誠は窓を見ながら内心「先生が悲しいのは分かるけど、もっと悲しいのは館内や客の方がもっと悲しいんだろうな」と思いながら肘を小テーブルに乗せて手を頬に当てながら不貞腐れた顔で景色を見ながら帰っていた。


(学校・2時30分)

6限目の授業中の3年のC組ではクマのマークがついた筆箱を持った女子生徒が教科書の古文の文字を見て女子は内心「あの後、全く連絡が無いな〜もしかして何かトラブルでもあったのか?」と思いながら歴史の授業を楽しんでいた。


(電車内・15時)

電車の中では15時42分に駅に着く表示がされている中、誠は南が話しているのに上の空で話が入ってない状態で南は「ちょっと? 聞いてる?」と聞くと誠は「ごめん、全然聞いてなかった」と言うと南「大丈夫? 具合でも悪い?」と顔を伺い心配する表情で目を見つめると誠は「なぁ、やっぱり人間のちょっとした悪い行動でルールは生まれるよな?」

南「急にどうしたの?」

誠は顎の下に2本の指を添えて「ポイ捨てした人がいたせいで他の誰かも同じように見られたりルールを追加されるってことはだよ?」

南「ちょっと待っていきなり本題すぎて全く話が追いつけないんですけど?!」と話を1つずつまとめて聞くようにした南。

誠「ごめんごめん、信用を失うのは一瞬なのに信用を得るには時間がかかるってなかなか大変だなって思ってさ」

南は納得した表情で「それはそうだね、例えば人間関係だって同じだよ、この人はこれをするから直らないって思ってあっさり縁を切れるけど、見知らぬ人達を相手するとルールをつける他に選択肢がないだろうね〜」

誠「そこなんだよ、人間関係は縁を結ぶことも断ち切る事だって可能さ、でも今日の美術館内での新しいルールや学校、会社でのルールは見知らぬ他人が次々と入ってくる、そうなれば縁を切るなんて簡単な話ではまとめれないからルールを作るしかない」

南「結局さ、人間関係って合わなくても人付き合いしてかなきゃ行けないのが学校とかで学んで社会に出ても合わない人がいてもどう乗り切れるのかを学ぶ為にあるんだろうね〜」

誠「南って時々賢いことを言うな」と微笑みながら言うと南は頬っぺたを軽く膨らまして「何よそれ! 時々じゃなくてもいつもです!」と言うと誠は笑った。

車掌「まもなく勝場駅、勝場駅にございます、お出口は右側ですドアから手を離してお待ちください」


(誠の家・風呂)

風呂に浸かっている誠は小声で「那月が好きだ」と言った。

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