3.不幸から成り立つ社会とは…

(誠の部屋・夕方)

誠は本棚に置いてある新聞の記事を見て過去の地震から学んでいた。

誠「この世の中は犠牲から成り立ってるきがしてる」


(翌日の朝・登校中の通学路)

南「おはよ〜」

誠「おはよう」

南「その手に持ってる新聞はどうしたの?」

誠「いや、世の中って犠牲から成り立ってるとは思わないか?」

南「犠牲?例えばどんな犠牲?」

誠「南は塗り薬とか買ったことあるか?」

南「お母さんがお皿洗いで傷が治るように前に薬局で買ったけど、それがどうかしたの?」

誠「その塗り薬も商品に出される前は豚の皮膚や動物を実験に使われている」

南「それはまぁ、そうね、それと犠牲の話がなんの接点があるの?」

誠「この新聞記事を見てみろよ」と南に新聞記事を渡して見せた。

南「これは阪神・淡路大震災じゃないこれと塗り薬が関係してるの?」

誠「そうじゃないよ、東日本大震災といい、阪神・淡路大震災といい、何かの犠牲から地震対策の家やマンションが出来ただろ?」

南「そうね、でも塗り薬も関係ある?」

誠「あるさ、十分にな 人間ではなくとも動物が一応は犠牲になってる」

南「そりゃあまぁ動物も可哀想だけど、それを言ったら綺麗事になるんじゃない?」

誠「あぁ確かに多少の犠牲は人間が生きていくためにお肉だって食べるし魚だって食べるからそんな事を言ったら何も始まらないのも分かってる、ただ…」

南は誠の顔を伺いながら「ただ?」

誠「例えば仕事上で重労働や残業があったとする」

南「ふむふむ」

誠「それで過労死や自殺した人は何人いると思う?」

南「数万人とか?」

誠「うん、毎年それぐらいの人が亡くなっていたんだ、だから社会的に5時までの定時で帰宅する社会風習に変わったじゃないか」

南「つまり、そのように亡くなって行った犠牲者の元でようやく世の中が気づいて変わったってこと?」

誠「そうだ、だから気づくのが遅いし何より言っても頑固な年功序列のオッサンやおばさんで聞いてくれやしない社会がとても気に食わないんだ」

南「まぁ確かに政治家とか会社の上司でも若い人ってあんまし少ないもんね〜」

誠「だからだよ、若い内に上に立つと出世が早いと落ちるのも早いって言われるだろ?」

南「あれって一体なんでだろ?若い方が才能とか行動の俊敏さとか優れてるだろうに…」

誠「そこなんだよ、過去の例で若い人が上に立たせた、そうするといきなり責任感や周りからの重圧を毎日のように喰らって息苦しくなって自殺した若い人が歴史上にも現代にもいるんだよ」

南「えっ…それなんか残酷…」

誠「だから社会って奴はなかなか可愛くないし食えない奴らで上は固められててね、ほんとにまるで抜け出せない沼みたいなもんなんだよ社会ってやつは!」

南「なんだか社会人になるの不安になってきた…」

誠「ははっ、俺たちは目の前のやるべき事をやってれば良いんだよ、でもな?今やるべき事と社会の闇を目をつぶるのはまた別だとも思ってる」

南「結局は世の中って理不尽だらけって簡潔的な解釈であってます?」

誠は手で頭の後ろを軽くかいて「まぁなるようになるさ」と自信なさげに言うと南は「もぉ〜頼りない言動だなぁ〜」


(市民美術館・10時頃)

誠や南たちは展示されてる美術館へと先生たちとバスに乗って向かっていたのでした。

先生「はぁーい、では番号順に並んで」

誠の内心「俺のツボを割った犯人は一体誰だったのか…」と思いながら少しずつ前に進み美術館の中に入っていった。

他校の展示物を見たて、別の人が手がけた芸術品が置いてあるのを眺める中で先生が「この先にみんなが作った作品があります」と言って進んでいく。

部屋はオレンジ色の壁へと変わって行き真ん中にはガラスケースで模型が置かれていてその先の棚に飾られていた。

すると1人の女子生徒がペットボトルをポイ捨てした。

それを見た同じクラスの人が「ポイ捨てはダメですよ」と言った。

女子生徒はゴミを拾って「ごめんなさい」と言って去った。それを見ていた美術館の役員。

(美術館・2階)

2階に来たみんなは小学生の作品も眺めていたのでした。

南と誠が合流すると南「誠の作品、早く完成してよかったねぇ〜」

誠は苦笑いしながら「ほんとに誰がやったのか…こっちは休み時間を削ってまでやったって言うのに犯人はその間は楽してやがるんだぜ?許せるか、この」

南「それもなんだか由々しい状態で留まってるよね…」と2人が話していると美術館の役員が先生に話を持ちかけていたのを2人がみて誠「あれ、なんだろね」と言っていると先生が大きな声で「では皆さんこちらに集合してください」と言って集まったのを確認した先生は「館内でポイ捨てをした生徒がいたので、『ポイ捨てをしないように』と注意をされたので午後の3時に帰る予定でしたが予定変更で2時に帰ることにします」と言った。


(住宅街の道・昼)

スーツの男は封筒がないのを慌てながら昼食を取りに行こうとすると交番が近くにあり掲示板を見たスーツの男は「これって俺の探してたやつじゃ…」と言った。

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