不幸せな数字
マチュピチュ 剣之助
幸せと不幸せは同意語
「それじゃあ7は不幸な数字だって言うの?」
太郎の発言に美穂が驚いて聞く。美穂が良かれと思って、7の番号のついたお守りをプレゼントしたら、太郎はひどく怒ったからである。
「そうだよ。7が幸せな数字なんていうのは安直だよ」
美穂の良心を踏みにじっていることは、重々太郎は知っていたが、それでも引き下がることはできない。
「じゃあ、教えてよ。なんで7が不幸な数字なのか」
美穂も思わず大声をあげてしまった。
「ちょっと、二人ともそんなこと外でするものじゃないよ」
本屋の店員である宮田が声をかけたことで、二人ともハッとする。二人は本屋の中で揉めていたのであった。二人は、慌てて別の場所に移動した。
「あのね、そもそも7が不幸であるということだけではなくて、皆が幸運だと思っていることが、実は不幸であるということはたくさんあるんだよ」
太郎がゆっくりと説明する。
「例えば、四葉のクローバー」
そういって、太郎はポケットから四葉のクローバーを取り出す。
「え、なんで持っているの・・・?」
美穂は、太郎が四葉のクローバーをそもそも身に着けていたことに驚いたが、そんなこと太郎はお構いなしのようだ。
「今までいろいろな殺人事件を扱ってきたミステリー小説を読んできたけど、四葉のクローバーがきっかけで人を恨んで、ついには殺人事件を起こしてしまったという本を、これまでに何冊も読んだことがある」
太郎はどこかをぼーっと眺めていた。太郎の話が、あくまでも推理小説の中の話なので、美穂は、本気で太郎が言っているのか区別がつかなかった。
「それって、本の中だけの話でしょ」
そう美穂が笑い飛ばすと、太郎はポケットのクローバーを捨ててこういった。
「いや、僕がこのクローバーを持っていた時にいろいろなことが起きたよ。本屋さんが急になくなったり、変な家ができたり、宮田さんが失踪したり」
確かにここ最近いろいろな奇妙な出来事が起きていたが、まさかクローバーを毎回太郎が身にしていた時だとは、美穂は知らなかった。
「だからね、僕にとって皆の幸運なものは不幸なものと同じなんだ」
太郎は真剣な顔をしていう。
「それじゃあ、もし7の数字のつくものを持っていたら・・・」
美穂も急に恐ろしく感じるようになった。
不幸せな数字 マチュピチュ 剣之助 @kiio_askym
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