アンラッキー∩ラッキー=プラスマ

千求 麻也

神と神

 ある日、貧乏神が憑いている男が成功神に出会った。


「7には2種類しかない」


 成功神は憑いている男に向かって言った。


「マイナス7とプラス7ってこと?」


 憑いている男は聞いたが、成功神は無視する。


「それはアンラッキーな7とラッキーな7だ」


 成功神は続けて語る。


「やっぱりマイナスとプラスみたいなもんじゃん」


 憑いている男は成功神に言う。


「アンラッキーな7は不幸を呼び、ラッキーな7は幸運を呼ぶ」


 成功神は無視して語り続ける。


「だからマイナスとプラスでしょ」


 憑いている男は勝ち誇ったように成功神に向かって言う。


「もぉうるさいなぁ! 物事をプラスかマイナスかで語るな! そんな簡単に分けられるもんじゃないんだよ!」


 成功神は憑いている男にイラついていて声を荒げてしまう。


「いや、あんたが2種類しかないって…」


 憑いている男は口ごもりながら言う。


「うるさい! だからお前はいつまでも貧乏神に憑かれてるんだ! 憑いてる奴なんだよ!」


 成功神は若干取り乱している。


「ついてる奴って言われると何かプラスっぽいけど……」


「いや、お前はマイナスだね! もぉずっとマイナス! あの時、私よりアンラッキー7という貧乏神を取ったんだから! 私がラッキー7だから1人でもラッキーに暮らせるだろうって……でも、私だって寂しかった! 成功神なんて名前だけ!」


 成功神は完全に取り乱していた。


「なんかよく分かんない話になってきたけど、多分俺の前前前世くらいのことなんだろうな……知らないけど」


「もうやめて! いい! 私出ていく! 成功神がそんな風に思ってたなんて知らなかった! 私達は元々表裏一体……これからは成功神が憑いていてあげて!」


 貧乏神がついに表面に出てくる。


「一緒に憑こ! ねぇ貧乏神、私達一緒にこの男に憑くのよ!」


 男の身体はプラスとマイナスの力が合成されたプラスマ体となり、宇宙のラッキーとアンラッキーを司る存在となった。

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アンラッキー∩ラッキー=プラスマ 千求 麻也 @chigumaya

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