アンラッキー7

帝国妖異対策局

不幸の数字

 色々な文化において、不幸な数字というのは存在する。日本で言えば「4」という数字は死を連想させることで忌み嫌われているし、キリスト教圏では「13」や「666」がそうだ。他にもアフガニスタンでは「39」だったり、インドでは「26」だったりと色々あるらしい。


 ぼくにとっては「7」が不吉な数字だったりする。ぼくは日本人なので「4」は、まぁ縁起が悪いかなぁという程度の感覚は一応持って入る。


 だけど「7」は、そういうレベルではない。経験則から来る理由というか、これはもう間違いなく「7」という数字がぼくを呪っていることを確信しているくらいだ。


 例えば、生まれからしてそうだ。7月7日に生まれたぼくは逆子だった。この世の最初のスタートからして母子共々、危うく命を失いかけている。


 7歳のときは、交通事故に遭って1年のほとんどを病院で過ごした。17歳のときは大病を患い1年留年している。


 日常生活でも、買い物で行列待ちしているとき、自分を入れて後7人というところで商品が売切れたりなんてことは普通にある。


 もしトイレや駐車場で空いているのが位置的に数えて7番目だったり、7番という数字が振られていた場合、まず近づかない。間違いなくトラブルが発生するからだ。


 あまりにも「7」に関しては不吉が続くので、神社やお寺で御祓いしてもらった。そうした努力を長年続けてきた結果、ようやくぼくもこの「不幸の7」体質から抜け出すことができた。


 27歳にして同じ年齢の恋人が出来たのだ。まさに理想に描いていた美しくて優しい最高の女性だった。ぼくたちは出会ってすぐに意気投合し、三カ月後には結婚の約束を交わした。


 そしてこれ以降、ぼくは「7」に悩まされることはなくなった。アンラッキー7からは完全に縁を切ることができたのだ。


 というか、今までの不幸はこの理想の婚約者と出会うための布石だったのかもしれないと今では思っている。


 そして僕たちは7月7日、ぼくの誕生日の日に結婚した。


「奈々美、明日は新婚旅行だね」

「うん。飛行機のチケット確認しておいてね」

「わかったよ!」


 ぼくは幸せ者だ。




~ ニュース7 ~


「昨日、日本発の航空機ローイング777が墜落。生存者は確認されていません」





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