第17話 『TS娘』と視線
視線(しせん):目の向いている方向のこと。ヒトなどの動物は、社会的認知能力として自分への視線、もしくは自分以外への視線を感知する能力が発達の初期段階からみられる。群衆の中で目を逸らす視線より見つめてくる視線を認識しやすい現象を群衆の中の視線現象という。
***
リアルでも女性(アバターと同じ)だと身バレした。ユーサクが”シノブさんって本当に女の人だったんですね!”とゲーム内で言ったときだ。前の日に駅前でタバコ吸ってたのを見られてたんだ。
ほら、オレ(わたし?)って低身長で金髪赤目美少女じゃん?そりゃ目立つからさ〜
でもそれ以前から、視線は気にはなっていた……。
そんなことを昼食中、3人で話していると「シノブよ〜、少し気にし過ぎじゃないか?」とシューメイ。
「そんなことないですよ〜 女の子は”胸”とか男の人から”見られてる”ってのはよく感じますよ〜」とアズサちゃん。
「あ〜アズサちゃんはおっぱい大きいからね〜 それに引き替えオレは美少女だけどチッパイだから、むしろちびっ子と金髪が原因なんだろうな〜」
「自分から”美少女”って言うか」
「そ、そうですねぇ〜大きいのも問題です……」あ、認めたな。
「”視線”か……人は社会的認知能力として、自分への視線もしくは自分以外への視線を感知する能力が発達の初期段階からみられる、らしいな」
「へ〜 さすがシューメイ」
「あ、いまググった」とスマホを見せる。
「な〜んだ」
「ーーヒトなどの動物は、社会的認知能力として、自分への視線、もしくは自分以外への視線を感知する能力が発達の初期段階からみられる。群衆の中で目を逸らす視線より見つめてくる視線を認識しやすい現象を群衆の中の視線現象という。ヒトの眼は他の動物とは違い白目(強膜)が発達している。この理由として、協力的な眼の仮説が上げられており、視線の方向や瞳孔の大きさを読み取りやすくすることで自然と協力関係が築きやすくなるからだという仮説であるーー」シューメイが続ける。
「それって、外敵から身を守るとか協力関係を築くってことなのかな?」
「そうかもな」
「でもさ、背中で視線感じることってない? 第六感みたいな〜」
「ありますね〜」
「”背中に脊髄が通っていて、それを守ろうとしている”とかいうのがあるな」
「あ、やっぱり第六感? でもなんか都市伝説っぽい」
「他には……”振り返って目と目が合うとドキっとする経験は印象に残るから頻繁にあるように感じる。が、自分が振り向いても誰もいなかったときにはあまり印象に残らないのですぐに忘れてしまうことが多い。目と目が合うのが単なる偶然であっても、偶然とは思えなくなる心理傾向になる”」
「あ〜そっちのが心理学的にあってそうだね〜」
「そうですね〜」
「ま、何にせよ出社は3人で。土日は単独行動は控えるってことだな」
「うん、そうする〜」
***
自分への視線を感知する能力は第六感か心理学的なものなのか……って話
以上 『TS娘』と視線
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