第7話 『TS娘』あるある
あるある:多くの人が見かけた経験を持つほど頻繁におこる状況や、頻繁に聞く言動などを意味する語
* * *
TS学園大学 生物学部本館地下3階『生体検査室』(通称『ラボ』)にて。
「ねぇ教授、教授は今まで何人くらいの『TS娘』を『検査』と称して『いたづら』してきたんですか?」
「いたづらとはなんじゃ、いたづらとは。 立派なTS娘の研究をだな・・・」
「え〜でも高校のころ何人かのクラスの子に聞いたら教授から『あんなことやこんなこと』をされたって・・・」
「いやいやいや、それはだな〜 その子のトリガーを調べるのにだな・・・」
「ま、いいや〜 で、なんか『あるある』みたいことありました?」
「ん〜そうじゃな〜 これは他校の子じゃが役所での手続きが面倒臭い・・・これは『TS証明書』(正式名称『OTMS認定証』)があれば問題ないじゃろ? 少なくともここ(TS学園)では保健室かわしのところで認定すればすぐ発行できるしのう」
「ふ〜ん、他校の子も『餌食』になってるんですね〜」
「えじきとはなんじゃ、えじきとは」
「え〜 だってそうじゃないですか〜」
「まったくしのぶは科学をどう思っとるんじゃ。 ま、いい。 お湯がトリガーの子は、乾いたら元に戻るから帰宅して風呂に入って試してみるみたいじゃな」
「あ〜 それって寮に入までの期間?」
「そうらしいのう。 ここの寮はちゃんとTS娘用の『TS湯』があるから安心じゃったろ?」
「そうですね〜」
「あとは体育会系の子や男前とかハンサムな子は、そうであればあるほどしおらしくなるのう」
「やけに可愛らしくなる系ですね〜」
「そうじゃな。 それからトイレ我慢できなさすぎるって子が多い。 『女の子ってなんでこんなにトイレ近いの?』ってのう」
「あ〜それ、わかる〜 ほんっと、がまんできないんですよね」
「ほかにスカートに慣れるまで時間がかかるらしいのう。 『なんかスースーする〜』とな」
「それもありましたね〜 わたしは大学時代からバイトで女子ってましたから、制服のスカートって支給されても履かなかったですね」
「もったいないの〜 じゃからJKっぽい格好が多いんじゃな?」
「あ〜 そうかもしれませんね〜」
そういえば今日も紺ブレにチェックのプリーツスカート、ソックスとローファーだ。
「一番多かったのが『体力が落ちる』じゃな。 『ただでさえ少ない体力が減ってしまった』とな」
「『女子化』は体力消耗しますからね〜」
「最近の子は『スマホ』が大きくてつかいづらい」とかあるのう」
「手が小さくなりますしね。 小さくなるといえば、胃も小さいからお店で一人前が食べられない・・・」
「なるほどのう。 あとは女子化時間が長い子は『女の子の身体もいいけどたまに男に戻りたい〜』と思っとるらしいのう。 しのぶもそうだったんじゃろ?」
「わたしは週一仕事休みの日は戻ってたから、感じたことないですけど・・・固定化した子はそうなのかな・・・わたしは今更ですけど〜」
「そうらしいの〜 あ、もしかしてしのぶは他の『固定化』した子のことを聞き出そうとしてるんじゃろ? 個人情報じゃから教えられんぞ?」
う、教授鋭い!
「え、え〜? そ、そんなことないですよぉ〜」
う〜 今日も『固定化』した人のことを聞き出せなかったな〜
以上 『TS娘』の『あるある』
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