第5話 片付け

「ああ、そういえば」

 部屋を片付けなくてはならない。徒然とぜんが長い間研究に没頭している間に家はすっかり散らかって、カビと苔と腐敗と蛆虫の涌く不快な部屋となっていた。きのこは当然生えてます。


「僕さ、片付けってしたことないんだよね」


 人生で一度も、である。


「いい機会なんじゃないの? 何持ってんの……?」


 徒然は掃除機の横に置いてあった火炎放射器を取り出した。


「バーニングファイヤー!」

「やめろおおおおおお」


「という冗談はさておき」

「おいこのやろう。おまえこのやろう」


 そうしている間に家のチャイムが鳴った。


「……え? アキカゼもう来た?」

「早くない……?」


 2人がフリーズしていると、ドアの向こうからどすの効いた大きな声が唸るように響いた。


「宅配便です」


 徒然は家から一歩も出ない生活習慣なので、買い物は基本的に通販である。


「荷物は何ですか?」

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