第5話 片付け
「ああ、そういえば」
部屋を片付けなくてはならない。
「僕さ、片付けってしたことないんだよね」
人生で一度も、である。
「いい機会なんじゃないの? 何持ってんの……?」
徒然は掃除機の横に置いてあった火炎放射器を取り出した。
「バーニングファイヤー!」
「やめろおおおおおお」
「という冗談はさておき」
「おいこのやろう。おまえこのやろう」
そうしている間に家のチャイムが鳴った。
「……え? アキカゼもう来た?」
「早くない……?」
2人がフリーズしていると、ドアの向こうからどすの効いた大きな声が唸るように響いた。
「宅配便です」
徒然は家から一歩も出ない生活習慣なので、買い物は基本的に通販である。
「荷物は何ですか?」
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