第2話 「そんなわけなくない?」

 巴宮秋風ともみやちえ徒然とぜんの高校の頃のクラスメイト。徒然は以前から秋風のはきはきした語り口にはある種感心していたし、多々おじけづくようなこともあったが不安が和らぐような心持で聞くことができていたし、そういう性格はなぜか嫌いじゃなかったし、むしろ好きだった。


 高校を卒業したと同時に担任の先生と結婚したんじゃないかっていう噂は、徒然にとって少しショックだった。


 卒業して離れ離れになってしまっていても連絡先を交換していたから、こうしてネットを通じて会話ができている。


「さっきの話、もう一回聞かせて」

「一緒だよ、焼きそば作ろうとしたらさ」

「らちが明かないなあ。画像とか写真とか無いの」

「待ってね」

「あ、そっち行っていい?」

「へ?」

「確か八十草やそくさの墓地の真ん中なんだっけ? ツレヅレの家って」

「そうだけど」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る