アンラッキー7ブラザーズ

桜咲吹雪

六回目(3/13)

 人間とは、一見何の因果関係もないものに対して、一方的に意味を見いだしてしまう生物のようです。


 その対象は多種多様ですが、身近なものでは数字が挙げられるでしょう。

 パッと目にしたランダムな数字に対して、一方的なイメージを持ってしまう。


 例えばコンビニで買い物をするとき。

 適当に欲しいものをカゴに入れ、レジで会計をしてみたら、偶然にも合計金額が777円だったりなんかしたら「やべっ、なんかラッキーな気がするwww」などと、意味もなくテンションが上がったりする、そんな経験みなさんありませんか?


 どうやら幸運として捉える数字と、逆に不運と感じる数字は、国によって異なるようですが、日本人は概ね『7』という数字をポジティブに捉えている人が大多数だと感じます。


 しかし、そんな日本においてもアンラッキーに関する7という数字もあるようで…。


 みなさんは、七人ミサキという怪談をご存知でしょうか?


 それは七人組の死霊のグループであり、列をなし、主に海や川などの水辺を徘徊し、たまたま遭遇した生者を一人取り殺すと、自分たちの列の最後尾に取り入れ、仲間にしてしまうという怪談です。

 新しい死者がレギュラーとして加わると、代わりに先頭の一人が成仏し、そうして七人ミサキというグループは常に七人で保たれているそうです。


 「新しく七人ミサキに参加しました、ダイキです、ヨロシクお願いしまッス!」


 「お~、おまえダイキな、俺ぁナンバー2の左衛門ってんだ、よろしくな。

 まあ…うちのよぉーシキタリなんかはよォ~順番に覚えてってくれよなァ~、まずは全員分の茶ぁ淹れるとっからだなァ~、ま、その辺はおまえが入ってきたことで新ナンバー6になったトオルに教えてもらえや」


 「じゃあ、ワシはそろそろ成仏するわ、チームは頼むぞ左衛門」


 「チッス! 先輩チッス!」


 なんだか七人ミサキって、体育会系っぽい気がしません?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アンラッキー7ブラザーズ 桜咲吹雪 @fubuki-sakurazaki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ