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🍖🍖🍖


「誕生日なんやって」


 たけやんが唐突に言ったから、わたしはなに?と聞き返した。キャンパスにある本屋でたまたま出会ったので百万遍の定食屋で一緒にランチを食べることにしたのだ。たけやんの前にはミックスフライ定食、わたしの前にはチキン南蛮の皿がある。皿からあふれ出しそうなサイズのてらてらとした南蛮に、たっぷりタルタルソースが乗っている。頂きます、と手を合わせてから二人とも箸を手に取る。


「腹減ったあ」


 たけやんが嬉しそうにエビフライを頬張る。学生の街と言うだけあって京都には安くてボリュームのある飲食店が多い。百万遍の交差点の周りには、定食屋、カレー屋、ハンバーグ屋などがあってランチの選択肢には困らない。その上近くには居心地のいい喫茶店もあるので、講義と講義の間が空いている時にはここぞとばかりにキャンパスを飛び出して百万遍の辺りでぬくぬくと過ごすのだ。


「十月が誕生日なんやって」


 たけやんが丁寧に言い直した。流石にわたしもピンときた。


「湊さん?」

「そう。この前又マクロ経済の講義で会うてな。そしたら今度誕生日なんですよっていうから、そしたらなんかお祝いせんといかんなっていう話になって」

「ほほう」

「何がいいんかな、女の人って。何もらったら嬉しい?」

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