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 そんなことを真顔で言うから、こちらはどう反応していいのか困ってしまう。わたしから見たら、美都は男女問わず誰にでも好かれるという得難い性質を持っているコミュニケーションの達人だ。多少空気を読まない質問でも、美都が口にするとそれは真っすぐ聞いている人の心に届く。美都だから、と許されることが沢山ある。でももちろんそれは、恋愛的な好き嫌いとは別のベクトルのものなんだろう。


「あーあ、あたしもいつか誰かに選んでもらえるやろか。一生独りだったらどうしよー」


 ぶつぶつとぼやく美都の前に玲人君が温かいココアのカップを置いた。続いてわたしの前にも。美都のにはマシュマロが浮かんでいる。わたしのやつはマシュマロはなし。甘い飲み物にさらに甘いものをトッピングするなんて邪道だとわたしはいつも主張するけれど、美都は取り合わない。


「ぼやいてないで甘いもんでも飲んどけ、ほれ、サービス」

「やったー。マシュマロ入ってる」


 美都がカップを覗き込んで嬉しそうに歓声を上げた。

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